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【ワークスタイル】新しい仕事は新しい可能性を与えてくれる 大手飲料メーカー勤務 山下欧里さん

大人女子のおしごと事情

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どこのスーパーでも、コンビニエンスストアでも、必ずあるS社さんの飲み物。その大手飲料メーカーに、大学卒業以来16年勤めている山下さんは、これまで5つの部署で仕事を経験してきました。「仕事は、大変なこともたくさんありましたが、“辞めたい”と思ったことはないんです」との言葉に、会社勤めをしていた時に、何度も“辞めたい”と思っていた私は衝撃を受けました。そんな山下さんの社会人物語です。

会社との出会い、きっかけはあこがれの作家さん

――誰もが知る大手飲料メーカーを受けようと思ったきっかけは何だったのでしょう?
私、作家の椎名誠さんが大好きで、彼の作品を読んでいたら、今在籍している会社の地下1階にあるバーの話が何度も出てきたのです。「ここでバイトをすれば、もしかしたら椎名さんに会えるかも!」と思って、学生時代に募集もしていないのに勝手にお店に志願してアルバイトしたんです。そこでこのメーカーの役職ある方々にも沢山お会いして、とても魅力のある人が多かったので、受けてみたいと思いました。あ、ちなみに椎名さんにも実際お会いできて、サインもいただけたんですよ。

――初志貫徹ですね(笑)。入社されてからはどのような部署で働いたのですか?
最初は営業、その後、宣伝、営業企画、洋酒部門のマーケティングを経て、現在は営業部門の役員付秘書です。カルチャーショックを受け、印象に残っているのは宣伝かな。食品メーカーに入ったのに、まるで広告代理店に居るのかと錯覚するほど業務が異質で、番組提供しているドラマの撮影現場に行く機会をいただいたりしたのも貴重な経験でした。特に大変だったことは、洋酒部門にいたときに経験した、当時自社扱いのジャックダニエルという商品と、他社さんのジムビームをスイッチするという業務です。社内外の関係者、海外の製造元など、多方面の方々との調整が必要で、前例がない手探りの業務にも関わらず、情報統制のため社内の同僚にも話すことができない、まさに水面下での作業でした。

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――それは精神的にも大変そうですね。でも苦労が多かった分、収穫も大きかったのでしょうか?
そうですね。販売数でも差のある商品だったのでドキドキでした。けれど、幸いなことにスイッチ後、順調に販売数も伸びて、苦労の日々が報われた思いでした。

フリーライター菅原然子(すがわらのりこ)
大学で数学、大学院で教育社会学を専攻後、月刊『婦人之友』(婦人之友社)、月刊『教員養成セミナー』(時事通信出版局)等の記者・編集者を経て独立。
人物インタビューや教育関連記事を中心に、多分野の記事を書いています。
夫婦+コドモ2人(♀)の4人家族。
趣味はチェロを弾くこと。
動物と、文字と、音楽をこよなく愛するもの書きです。
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