誰でも刺しやすいように工夫しながら
――それで本を出版されて、現在のお仕事にもつながっていて。
今は作家というよりは、私自身が元気をもらったこの刺繍をもっと多くの人に広めることをメインでやっていきたいと思っています。お教室もしているし、今年は北海道でもワークショップを開催しました。お呼びがかかればどこへでも行きたいです。
――ワークショップなどでは皆さんどんな反応をされますか?
最初は「出来るかしら」と不安そうにしている方でも、手を動かしてみると1段ずつ出来上がっていくので前向きな刺繍でしょう? それで止まらなくなる(笑)。
教えるときに気をつけているのは、今は特に若い方だとミシンも裁縫箱も持っていない人もいるので、ポーチ型に仕立てたものを持っていって、そこに刺していく方法をとっています。そうすると刺し終えたらすぐに使えるし、達成感もありますよね。
私自身が刺繍は好きだけれど、仕立てるのが得意ではないというのもあって。本当に縫う人からしたら邪道かもしれないけれど、みんなが楽しんで刺せるにはどうしたらいいかなと考えて、こうしています。好評ですよ。
今後は、たとえば講師養成のカリキュラムなども考えて、できるだけたくさんの方にこの刺繍を知っていただきたいと思っています。家でチクチクと刺繍をしている時間て、本当に楽しいですから。