私は小さいころから皮膚が弱く、すぐにかぶれたり、とびひになったり・・・そのたびに皮膚科の先生にお世話になりました。水谷さんも、幼いころ湿疹に悩み、その経験が土台となって皮膚科医に。開業医として地域のニーズに合った診療を続けています。「重症だった患者さんが社会復帰されると本当に嬉しい」と笑顔で話す水谷さんに、お仕事について聞きました。
アトピーに向けられた視線
――水谷さんは現在、江東区で「水谷皮フ科クリニック」の院長をなさっています。
2012年に開業しました。この地域は、小さな子さんのいるご家庭も多いので、一般の皮膚科だけではなく、小児皮膚科、またお母さん世代のニーズにこたえて美容皮膚科も併設しています。
――小さいころからお医者さんになりたかったのですか?
本当になりたいと思ったのは高校生の時ですね。ただ、3歳頃から中学卒業まで、私自身がアトピー性皮膚炎で、顔にも出ていたので、他の人の視線が辛かったという経験もしました。それもあって、皮膚に興味はあったんです。小学生の頃、かゆくてかいてしまった皮膚がボロボロになって、幼心に「この皮膚の下ってどうなっているんだろう」と考えていたことがありました。変な小学生ですけれど(笑)。
――なるほど、ご自身の経験も医者を目指すベースになったのですね。ただ、なりたいと思ってもなかなかなれる職業ではありませんよね。
私、中学まで愛媛の田舎で育ったんです。学習塾もあまりないところで、小学校の後半くらいまでは毎日暇で、家の窓の外をボーっと眺めながら、「あートンビが鳴いているな~」と。高校に入学して、医者になると決めて勉強を頑張れたのは、小さい時のアトピーの経験と、ゆったり過ごした田舎での生活で貯めてたエネルギーがあったからかもしれませんね。