「仕事も子育ても不満足」から脱するために
――もともとは雑誌の編集記者をされていて、その後web媒体に移行されたのはなぜですか。
約10年、紙媒体の編集記者をしていました。紙媒体が好きでしたし、そこから離れるつもりは当初はありませんでしたが、今、中2になる息子を産んだときに、出産後も仕事を続けるのであれば、家で、パソコンでできる仕事のほうが都合がよいと思い、紙媒体とweb媒体の両方があるリクルートの『赤すぐ』という雑誌の編集部に入って、あえてwebを希望。そこで一から学びました。必要に迫られてwebに移行しましたが、結果的に今のWEB媒体の編集執筆の仕事やPRの仕事に必要なスキルも比較的早い段階で習得できたのでよかったと思います。
――当初は慣れない分野で大変ではなかったですか。
大変でした。webの世界では新人みたいなものでしたから、当時の仕事のパフォーマンスはかなり下がったと思います。仕事をしている自分にも満足ができなかったですし、一方で子育ても限られた時間でしかできないことに不満で。
なにしろ夜8時から会議がはいったりするんです。保育園のお迎えは6時ですから結局その後、個人で依頼したベビーシッターさんに息子を園に迎えに行ってもらい、自宅で見てくれるようにお願いしておく…つまり二重保育は日常茶飯事でした。帰宅して保育園の連絡帳を読み、「お家での生活」という欄には「元気に寝ています」くらいしか書けない(笑)。仕事も子育ても両方不満足な状況から脱したくて、独立しました。
――実際に独立されてみて、状況は変わりましたか?
変わりました。出版社は午前11時出社で終電まで仕事のところも多いのですが、それは子育て中の人には向かない時間帯です。朝9時から保育園に預けたら午前中にできる仕事をして、夕方はお迎え。自分でご飯も作って、子どもの日々の成長をしっかりと自分の目で見ることができた。以前より自分で育てている実感も湧いてきました。仕事も生活も、どちらも充実感がありました。
実はママ業って、年度替わりの3月4月が忙しいんですね。子どもも進学や進級で環境の変化に慣れるまで大変だったり、提出物も多かったりして。だからその時期は仕事をできるだけセーブして、逆に5月から夏休みまではわりと時間ができるのでがっつり仕事。状況に合わせて仕事量も調節していきました。毎月コンスタントでなくてもいいんです。その後徐々にPRも受注するようになり、チームで動く仕事に移行してきました。