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【ワークスタイル】ゴッドハンドは自分でつくれる 西村麻里さん (セラピスト オーダーメイドリラクゼーションサロンmahオーナー) - 3

大人女子のおしごと事情

モヤモヤをバネに

――8割以上のお客様がリピーターということは満足度が高いということで素晴らしいですね。

でも私、大手リラクゼーションサロンで働いていた7年間中、2~3年はずっと結果が出ない、でもその理由がわからないというモヤモヤ期でした。それで、できる先輩やそのお客様をそっと観察したんです。

疑問点をメモに書き溜めて。そうしているうちにだんだんわかってきたことが、人気のある人って、「仕事が好き」「自己受容ができている」「やる気と向上心」の3つがある人でした。それか、このうちの二つがなくても、一つが突出してある場合も人気がありました。

 

――西村さんはどのタイプでしたか?
私は仕事がすごく好きなタイプでしたが、実は自己受容が全然できていなかったんです。というのも、小さいころぽっちゃり体形で、そのことを近所の子にからかわれたりしてすごくコンプレックスを持っていたんです。

私なんて何もできないと思っていた時に、父をマッサージしたら喜んでもらえた。それが嬉しくてこの仕事を選びましたが、実は私の手って、まったくマッサージ向きではないんです。小さくて厚みがなく、指も細い。それにはセラピストになって割と早い段階で気づいたのですが、だからといて今さら他の仕事には就けないなと。

でも、あきらめてはいけない、きっと何かできることがあるはずと思っていたら、手が小さいと小回りの利く動きができると気づきました。

深層筋をほぐすときも、「「振戦(しんせん)押し」といって揺らしながら押したり、指を鍼のように鋭利に立てて、斜めから圧を入れることでほぐれる部分なので、私の手が生かせると気づいたんです。あとはフェイシャルでも細かい動きができると。

お客様から「スモール・ゴッドハンド」と称していただいた手

 

手の形は生まれつきで変えられないけれど、強みを見つけられれば、自分でゴッドハンドは必ずつくれます。表裏一体という言葉がありますが、弱みを突き詰めていくと強みにつながります。ばっさり切り捨てないで「なぜなのか?どうすればよいのか?」を考え抜く。その上で自分を受け入れ、個性を最大限生かせる施術者はお客様を幸せにできます。今後はこのことを多くの方に伝えることも含めて、スクールにも力を入れたいと思っています。

フリーライター菅原然子(すがわらのりこ)
大学で数学、大学院で教育社会学を専攻後、月刊『婦人之友』(婦人之友社)、月刊『教員養成セミナー』(時事通信出版局)等の記者・編集者を経て独立。
人物インタビューや教育関連記事を中心に、多分野の記事を書いています。
夫婦+コドモ2人(♀)の4人家族。
趣味はチェロを弾くこと。
動物と、文字と、音楽をこよなく愛するもの書きです。
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