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私のごきげんな毎日

ドイツの伝統技術で、日本文化も大事にしたおもちゃを 伊藤真穂さん(木工玩具職人) - 3

大人女子のおしごと事情

お世話になった人たちへの恩返し

――今のお仕事の魅力って何でしょう?

うーん。あまり考えたことがないのですが、この仕事を続けているのは、やっぱりお世話になったドイツの人たちに恩返しをしたいというのが大きくて。

木工玩具職人 伊藤真穂

技術を教えてもらっただけではなく、こちらに帰国するときには、旋盤の機械を「デモンストレーション用に持ち運べるように」と組み立て式にして作って持たせてくれたりと、本当によくしてもらったので。

――なるほど。仕事を続ける原動力のようなものは恩返しの気持ちにあるのですね。「木」という素材の特徴は何でしょう。

そうですね、たとえば私が作っているような小さなおもちゃであれば、ちょっとした廃材でもきれいに削って作ることができます。
捨てられてしまうようなものでも、木であれば生まれ変わらせて何度でも使えるのが魅力です。

木製の玩具

木のおもちゃは素朴で温かみがありますよね。
私は、ドイツの技術は使うけれど、モチーフは日本の行事、たとえばお雛様や金太郎などを意識的に作っています。

ドイツにもドイツの風土に根付いた、たとえば森や牧場をモチーフにしたおもちゃがあるけれど、日本でも同じように日本の風土を大事にしたものが作れたらと思って。

――お雛様、可愛いですね。

今は来年のひな祭りに合わせて、あるおもちゃ屋さんとタイアップして少し量産できないかと、計画を進めています。

木工玩具職人 伊藤真穂さんが作った木製のお雛様

これまでは、まだ子どもが小さいこともあり、依頼されたお仕事を中心にしてきましたが、これから少し余裕が出てきたら、自分でもいろいろ企画してみたいと思っています。

フリーライター菅原然子(すがわらのりこ)
大学で数学、大学院で教育社会学を専攻後、月刊『婦人之友』(婦人之友社)、月刊『教員養成セミナー』(時事通信出版局)等の記者・編集者を経て独立。
人物インタビューや教育関連記事を中心に、多分野の記事を書いています。
夫婦+コドモ2人(♀)の4人家族。
趣味はチェロを弾くこと。
動物と、文字と、音楽をこよなく愛するもの書きです。
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