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私のごきげんな毎日

【ワークスタイル】目の前の患者さんに、全力で向き合う 歯科衛生士 堀越美瑞希さん - 2

大人女子のおしごと事情

妊娠、出産も糧にして

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――現在の歯科医院で働かれてすでに10年近くなるのですね。
そうです。オーストラリアからの帰国後、いくつかの歯科医院を見学して面接試験を受けました。見学の際には、医師の技術や歯科衛生士がどの程度の仕事を任されているかもさりげなく見ていたのですが、今働いている医院は医師の技術も非常に高く、歯科衛生士も専門性を活かした仕事ができるところに魅力を感じました。たとえば歯科衛生士にも、自分が得意とする分野があるのですが、私は数年前に歯周病認定歯科衛生士の資格を取り、それ以来、来院される歯周病の患者さんを中心に担当していました。

――現在の職場に移られてから、結婚、出産もされています。
今、5歳と2歳の息子を育てています。長男の出産1カ月前くらいまではフルタイムでバリバリ仕事をしていました。産休前には院長に「1年たったら必ず戻ってきます。フルタイムで働きます!」と言っていたのですが、院長には「そんなに今から決めないで、子どもが小さい時なんて一瞬なんだから」と言われていました。当時はよくわからなかったのですが、実際に出産し、育休中に出会った保育ママさんの影響で、仕事も大事だけれど、子育てもできるだけしてみたいと思うようになり、長男出産後9カ月で復帰し、最初は週1回半日勤務、その後徐々に増やして次男出産までは週2日8時半から5時までの勤務でした。次男出産後は週2日半日から始めて、今は週2日勤務です。

長男、次男共々お世話になっている保育室にておやつタイム
長男、次男共々お世話になっている保育室にておやつタイム

――出産、育児を経験されて、何か仕事に影響はありましたか。
出産後復帰した際には、業務時間の関係もあり歯周病の治療を担当するのは難しくなってきました。代わりに、妊婦健診や1歳半健診などの担当を任されることも増え、自分の経験が生かされることになりました。出産前までは、妊娠中の患者さんへのアドバイスも教科書の内容から広がることはありませんでした。たとえば虫歯などの原因になりやすいのは、ダラダラ食べで、時間を決めずに食べ物を食べ続けてしまうことなのですが、自分が妊娠してみて、食べづわりの大変さを知りました。そして妊娠中を含め産後の授乳中などはお腹はすくし、寝不足な日々で赤ちゃんのお世話で手いっぱいの中、自分の歯のことまでかまっていられない!というのがママの現状だと思います。

それでもママや家族のお口の中をきれいに保つことが、将来的には赤ちゃんの歯を守る大切な第一歩なのです。育児中の忙しい時間をぬって健診に来てくれた患者さんにはただ理想を並べるのではなく、患者さんの背景を理解して、今、出来る最低限のことを一緒に考えるようになりました(たとえば、ブラッシングを出来る時にしっかりする、フロスを必ず使う、など)。

フリーライター菅原然子(すがわらのりこ)
大学で数学、大学院で教育社会学を専攻後、月刊『婦人之友』(婦人之友社)、月刊『教員養成セミナー』(時事通信出版局)等の記者・編集者を経て独立。
人物インタビューや教育関連記事を中心に、多分野の記事を書いています。
夫婦+コドモ2人(♀)の4人家族。
趣味はチェロを弾くこと。
動物と、文字と、音楽をこよなく愛するもの書きです。
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