今までにない画期的な使い方のオイル?
――肌は臓器とは考えたことがありませんでした。具体的にはどのような商品を作ったのですか?
肌の一番外側で私たちを守ってくれている皮脂と常在菌を落とさないもの。1999年から開発を始めて、2002年に初めて出したのはクリームだけでした。でもそのうち化粧水がほしい、というお客様の声が増えてきて。それで化粧水も出しましたが、次は「クレンジング」を、となった。皮脂を落とさないクレンジングには、何がいいのかを考えたら、良質なオイルが良いのではと気付きました。通常売っているクレンジングオイルやクレンジング剤、石鹸類は、洗浄成分が含まれれているので皮脂まで洗い流してしまい、肌が乾燥してしまいます。極上の美容オイルならばいいのでは、と。化粧品は油だから、油同士で親和性がありくっつくし、あとはそれをとればいいだけ。極上の美容オイルですから、保湿やマッサージオイルにも使える。でも、世の中にそんな商品はなくて、考え方や使い方があまりにも画期的過ぎて、説明するのは今でも大変です。
――美容オイルをクレンジングに使うとは贅沢ですね。お客様から驚かれませんか?
だんだん理解してくれる人が増えている気がします。2002年当初は製品化したのははいいけれど、どうやってお客様に知ってもらったら良いのかまったくわからなくて。最初は少し抵抗もあった雑誌ですが、編集部に電話をかけて、話を聞いて頂きました。まだLOHAS(ロハス)という言葉もないめずらしい時代に、月桃のクリームを作ったけれど、肌だけでは本当に美しくはなれないと思う、食べるものや生活、環境、全てが素肌の美しさに関係があるのではないかと伝えたら興味を持って頂けたような気がします。
――ムーンピーチというブランドをまさに背負っていますね。
7~8年前までは営業や配送まで自分一人で業務を行なっていたので大変でした。実は最初の数年間は、世の中にこんなにたくさん化粧品がある中で、もちろん月桃はとてもいいものだけれど、この商品に本当に意味があるのかわからなくて、本気で広めたいとは思っていませんでした。ただ、先ほどお話した、極上のオイルでつくったクレンジングを販売した10年前に、やっと自分の中でこういうブランドがあってもいいのかもしれない、むしろあることで本当に肌にいい事は何か、を伝えられると思って。その頃からどうやったら皆様に伝わるのかを真剣に考え始めるようになりました。