「肌って何だろう? と考えるところから始まったんです」と話すのは、沖縄のハーブ、月桃を使ったスキンケア商品の開発をし、本当に肌にいいもの、いいこととは何かを考え続けるうすき友美さん。生きいきとお話くださる様子からは、肌だけでなく、生命の輝きも感じました。
「肌は臓器」
――月桃との出合いはいつだったのですか?
今の仕事を始める前、6年ほど薬品会社で営業事務をしていたんです。本当に普通のOLでした。ある日、父が月桃の精油を知人からもらってきて、クリームなどに混ぜて配っていたら、父の友人の水虫が治ったとか、私も知人に配ったら、肌荒れが治った、と言われて。そして、アトピー性皮膚炎のある友人に渡したら、今まで使ってきたどのケア商品よりもいい、ぜひ商品化してほしいと、毎晩電話がかかってくるようになりました。
当時は、私を専業主婦にしてくれる旦那さんと出会って結婚するんだなんて思っていました。それで、婚活をしたいから仕事を辞めたいと言ったら、父は許してくれなくて。父は、月桃入りのクリームを持って来て「これを商品化するなら辞めてもいい」と言ったんです。父と、アトピーの友人から言われたので、やってみるか、と。それで2000年にOLを辞めました。
――最初は何から始められたのですか。
商品開発といっても何もわからなかったので、ひたすら月桃精油配合の配合率の違うクリームを混ぜて作り、友人知人に配ってアンケートを集めていました。そして、女性にとっての美しさとは何か?を考えた時に、化粧品が大好きな人の好きすぎて化粧品のケアにはまっているように見える方の肌があまりきれいに感じられなかった。むしろ私のおばあちゃんみたいに、何もしていない人の肌のほうが健康できれいに見えて。きれいになりたいからお化粧をするはずなのに、きれいに見えない。どうしてだろうと思いました。
それで「そもそも肌って何?」と考え始めたのですが、なかなか私がほしい答えを見つけることはできませんでした。それでもいろいろ書物を読み漁っていたら「肌は臓器だ」とおっしゃっている本に出会って、なるほどと思ったんです。つまり、生命維持をするために働いている臓器としての肌、、肌本来の働きを妨げず、むしろ助けるようなケアをしたいと思いました。その探求は始まったばかりでした。