「魅力的な人に会うと、もっと話が聞きたいと思うんです」と、フリーランスライター・編集者の菅さん。今月は、数多くの取材・執筆を手掛け、著書も出版されている菅さんに、お仕事について聞きました。同業の方に取材をするのはとても緊張するのですが、気さくに、丁寧にお話ししてくださいました。
仕事が仕事を運んできてくれる
――フリーランスで執筆、編集のお仕事をされていますが、具体的にはどのような内容なのですか?
自分で企画をたてて本をつくったり、依頼されて本の執筆をしたり、雑誌やウェブサイトで取材記事を書いたりしています。常にいろいろな仕事を同時並行で進めている感じです。
興味あるのは、人の暮らしや生き方。たとえば職人さんや、農家の方など、仕事と日々の生活を大切にしている人に話を聞くのが好きですね。『シゲコ!—ヒロシマから海をわたって』(偕成社 2010年)や『一澤信三郎帆布物語』(朝日新書 2009年)も、広島で被爆した後アメリカに渡られた笹森恵子さんとチェルノブイリに一緒に行ったり、京都でかばん一筋に仕事をしていた方と出会ったことで生まれた本です。実は『一澤信三郎帆布物語』は、いろいろあって一度企画がとん挫し、出版までに10年かかりました。
――10年!おどろきです。今はどのような本を書かれているのですか?
子ども向けのノンフィクションで、パンの缶詰を開発した人の話をまとめたものが間もなく出版されます。他にも、駅伝で有名な広島県立世羅高校の女子選手たちに取材しています。スポーツの分野は初めてなのですが、出身地が同じ広島ということもあって引きこまれています。基本的にいただいたお話は、スケジュールが許す限りお引き受けするようにしています。以前私が書いたものを読んでお声掛けいただくことも多く、ありがたいですね。仕事が仕事を運んできてくれる感じで、今まで続けられてきています。