アナログもデジタルも
――そこで経験を積まれたのですね。
一番最初にしたのは、刷り上がって来たものをカッターで印通りに切ることでした。幸いだったのは、私が就職したころが、世の中がちょうどアナログからデジタルに移行した時期で、社長はアナログでデザインをしていましたが、先輩はデジタルでパソコン操作もできる。私はどちらも教えてもらうことができました。
イラストレーターというソフトの使い方も、ティッシュの箱をボーンと目の前に置かれて、「これをそのソフトで描いてみて」と(笑)。どうしてもわからない時だけは質問して、いちからいろいろなことを覚えていきましたね。
――初めて世の中に出た作品は何でしたか。
ある行政関連のパンフレットでした。お客さまからの依頼がくると、社長がデザイナー志望の私にも「作ってみて」と言ってくださり、私も何案か出し、社長の案と合せて提示し、この行政の仕事では自分の案が通りました。その後はいろいろな企業さんのコンペにも行かせてもらい、それこそ大手の広告代理店の方に混ざって「帰りたい~」と思うくらい緊張しながらプレゼンしたり。鍛えられましたよ。