雑誌やポスターで見かける写真。プロのカメラマンが撮る写真は、やっぱり美しく、印象的です。
今月は、「ものでも景色でも、きれいなものを見ると、無意識のうちに光の入り方などを観察しています。撮影の際のライティングのヒントにもなるので」という女性カメラマン、中林香さんに、お仕事内容をうかがいました。
きっかけは、父親が貸してくれたカメラ
——中林さんはカメラマンとしてさまざまな雑誌等で活躍されています。
今は雑誌や書籍のための撮影が主になっています。人も料理も物も、なんでも撮ります。
仕事の流れとしては、編集部で企画が固まるとスタッフが決められます。そこでカメラマンも決定され、編集部から電話があり、スケジューリングします。だいたい1日に1つの仕事という事が多いです。
撮影前にスタッフと打ち合わせをし、ページの構成図をもらったりしてだいたいのイメージを膨らませ、撮影に入ります。撮りながら使いたい画像を多めにその場でセレクト。その後編集者から使う写真が決まって戻ってきたら、それをレタッチ(画像処理)して納品する、というのが大きな仕事の流れです。
——いつ頃からカメラマンになりたいと思っていたのですか?
きっかけは高校の頃。父親がペンタックスの一眼レフカメラを貸してくれて、それを使ってクラスメイトを撮っていたんです。
当時はフィルムカメラですから、自分が撮ったものが、こういう写真になるのか、と、それを見るのが好きで。
その後進路を決める時期にHIROMIXという女の子が撮った写真が、写真の世界の登竜門ともいわれている、写真新世紀の優秀賞を受賞して。もの凄くいろんな媒体に彼女が出て、それを見て、「簡単そうだし、仕事にもなりそうだし、楽しそう!カメラマンいいな」と思った。
好きなものとはやりものが一致したんですね。
そんな事もあり、卒業後は名古屋の写真の専門学校に2年間行きました。1年の終わりころ『UNO』という雑誌が創刊され、セルフポートレート写真を募集している事を、高校からの友達がFAXで教えてくれました(これで賞金とってハワイに連れて行ってと)。投稿したら賞をいただいて。あ、私、写真でいけるかなって思いました(笑)