会社で働きながら「もっとこうしたい」と思ったことを、起業して実現する。堀田さんはオーガニックコスメ「IKIIKI BOTANICS」(イキイキボタニクス)の商品開発・販売でそうした道を歩んできました。限られた資金でやりくりするために、プロに頼む部分を厳選し、パッケージデザインやウェブ制作を独学するなど、工夫に満ちた仕事内容について伺いました。
延べ300品目以上の化粧品開発
――堀田さんは、ボタニカルオイルを配合した商品の開発・販売をされています。
2年前に、オーガニックスキンケアブランド「イキイキボタニクス」を立ち上げました。天然植物由来のボタニカルオイルは、肌を整え、元気にするパワーがあり、このオイルをふんだんに使った洗顔せっけんがスタートアップ商品です。
起業したきっかけは、前職にあります。大学卒業後に化粧品会社へ就職し、そこで、企画営業職に就きました。具体的には、お客様である企業からヒアリング調査の上、それぞれの要望に沿ったコスメブランド企画をコンセプトから提案し、研究所やデザイン部門をディレクションしながら商品やブランドを形にしてく、という仕事です。常に10社以上のお客様とやりとりをし、延べ300品目以上の化粧品開発にかかわりました。
やりがいもある一方、「こうすればもっといい商品ができるのに」と思うこともたびたびありました。たとえば、化粧品の香りつけを選定する時、本当は企画の意図として天然由来の精油を配合したいところですが、コストの兼ね合いで比較的に安価な合成香料を使わざるを得なかった。そういった小さな妥協や無念の思いが、後に起業する動機となったと思います。
――起業するために退職されたのですか?
いいえ、結婚を機に、当時夫が仕事をしていたベルギーへ引っ越すため退職しました。ビザの関係で仕事はできなかったのですが、のちの「イキイキボタニクス」立ち上げの大きなきっかけを与えてくれた三年間でした。欧州の中心にあるベルギーの、交通の利便性を利用して、オーガニック先進国のヨーロッパをあっちこっち回りました。ラベンダー農家や、ローズ畑を訪ね、収穫を経験させてもらったり、エキスや精油の抽出について学んだり、自然やオーガニックの素晴らしさを身をもって体験しました。その後、夫の転勤に伴い東京へ戻ってきました。