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私のごきげんな毎日を送るライフスタイルマガジン

【ワークスタイル】本当に肌にいいものを 堀田天晴さん(株式会社HARE) - 2

大人女子のおしごと事情

堀田天晴さん

「日本製」へのこだわり

――それから起業準備に入られたのでしょうか。
そうですね。もともと働くことが好きなので、何かしたいと考えた時に、前職やヨーロッパでの経験を生かして、オーガニックコスメブランドを立ち上げようと考えました。夫には最初「せっけんのブランドをつくりたい」と話しましたが、あまりピンときていないようでしたね(笑)。

化粧品会社にいたときから、オイルが持つセラピー効果に注目していました。コンセプトの方向性と処方実現の可能性について検討を重ね、最終的にはオイルをたっぷり配合した、保湿力の高い洗顔せっけんに行きつきます。まずは製品を作ってくれる工場を探しました。小ロットで製造でき、かつ品質へこだわりを持っていて、私のやりたいことに共感してくれることを条件に、20社以上訪ねて、やっと1社に絞りました。その後、自宅のキッチンですべての原料を取り寄せ、試作を重ねました。ある程度納得出来た段階で、製造担当の方に試作を頼み、開発コストを減らす工夫をしました。

もともと生産工程が、オイルの抽出もなるべく原料の品質を変えないコールドプレス、生産工程も加熱処理をしないコールドプロセスで時間がかかるので、構想から実現させるまで1年ほどかかりました。

ハーブ栽培は夫の趣味。 ハーブウォーターを作ったり、料理に活かしたりしています。
ハーブ栽培は夫の趣味。
ハーブウォーターを作ったり、料理に活かしたりしています。

――コストもかかる「日本製」にこだわっているのはなぜですか?
私は台湾出身で、父親にすすめられて大学から日本へ留学しました。大学時代がとても楽しかったこともあり、そのまま日本で就職します。化粧品会社に入社した当時、製造現場での、とても丁寧な工程を知って、実は最初「そこまでしなくてもいいのに」と思っていました。ですが、時間がたつにつれて、その丁寧な行程がどれだけ素晴らしい商品を生み出しているかを知り、一つひとつの細かい工程すべてに意味があるのだと実感しました。その経験があったので、自分でブランドを立ち上げるときにも、日本製にこだわりました。

いい商品を作りたい思いが強いので、コストもかさみます。当初は限られた資金をどうやりくりするか、かなり考えました。製品の質にかかわる製造工程はプロに任せましたが、それ以外、自分でできることにはなるべくお金かけないようにしました。例えばパッケージのデザインやホームページを独学で作ったり、せっけんパッケージの布の袋も今は工場に作ってもらっていますが、最初は友だちにミシンを借りて一つ一つ縫っていました。

お友たちを招いてホームパーティ。 普段忙しいと家事を疎かにしがちなので、お客様を定期的に招くことが、家をきれいに保つ秘訣です(笑)
お友たちを招いてホームパーティ。
普段忙しいと家事を疎かにしがちなので、お客様を定期的に招くことが、家をきれいに保つ秘訣です(笑)
フリーライター菅原然子(すがわらのりこ)
大学で数学、大学院で教育社会学を専攻後、月刊『婦人之友』(婦人之友社)、月刊『教員養成セミナー』(時事通信出版局)等の記者・編集者を経て独立。
人物インタビューや教育関連記事を中心に、多分野の記事を書いています。
夫婦+コドモ2人(♀)の4人家族。
趣味はチェロを弾くこと。
動物と、文字と、音楽をこよなく愛するもの書きです。
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