毎年子どもの「将来なりたい職業」ランキングで、特に女子の上位にくるのが「幼稚園の先生」。自分が産むまで、子どもとの接点がほぼなかった私にとって、幼稚園の先生という仕事は完全に「未知の世界」でした。ですが、我が子が幼稚園に通い始めて驚いたのは、その専門性の高さです。そんな幼稚園の先生の仕事について、河原崎ひろみさんに伺いました。
子どものころからの夢
――河原崎さんは幼稚園教諭になられて今年で8年目。大学時代に目指されたのですか?
そうです。自分が幼稚園に通っていた時に、幼稚園の先生になりたい!と思っていました。その後いろいろな夢も見ましたけれど、大学受験を考えた時に、自分には何ができるかなと思って。子どもが好きだったこと、親からの「幼稚園の先生になったらいいんじゃない?」というすすめもあり、幼児教育学科に入りました。
在学中は、3年から本格的な実習が始まり、幼稚園、保育園、児童養護施設などで数週間ずつ実習しました。どこも魅力的な職場でしたが、やはり当初の希望だった幼稚園に就職したいと思い、大学に来ていた募集を見て今勤めている谷戸幼稚園(以下谷戸)を受け、採用していただきました。
今年で8年目。最初の年は年中の担任でした。翌年からは、年中、年長、年長、年少、そしてここ3年は年中の担任です。
――小さいころの夢をかなえての就職。最初の頃はいかがでしたか。
戸惑いしかなかったです。谷戸は、年少組はオープンクラスで、3クラスが一つの部屋で生活するのですが、年中からクラスごとに部屋が分かれます。そのため、お互いのクラスも見えず、わからないことだらけ。一応事前に学年ごとに、「では明日はこういう流れでいきましょう」と、保育の大きな流れの打ち合わせはするのですが、細かいことが分からなくて。
たとえば、「明日は絵の具を使った遊びをしてみよう」となって、絵の具を出したとします。でもひとクラス、当時は31人。全員が一斉に絵の具を使うことはできません。「絵の具を使っていない子どもには何をさせればいいの?!」と。そういうところでつまずいて。先輩に聴いて、そうか、粘土も出しておけばいいのか、とか(笑)。