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「ラッピングする芸術作品」パリのクリストプロジェクト

おフランスかぶれのうたかたの日々

2020年5月31日、世界的に著名なアーティスト、クリストがニューヨークにて逝去しました。

クリストとジャンヌ=クロード、パリ!

パリのポンピドゥー・センターで、今年7月1日~10月19日に開かれる特別展「クリストとジャンヌ=クロード、パリ!」は、クリストへの実質的なオマージュになります。
クリストが構想し、パリ・凱旋門のラッピングプロジェクトについても、来年9月に予定通り実現させるとフランスの国立モニュメントセンターが発表しました。

クリストが関わる二つのプロジェクトが準備中のパリで、それぞれの事業実施団体である国立モニュメントセンターとポンピドゥー・センターから弔意が表されました。

«Nous aurons bien sûr à cœur de réaliser ce projet pour rendre à cet artiste un peu de l’amour immense qu’il a voué à Paris ».
もちろん我々はこのプロジェクトを熱意をもって実現させる。彼がパリに捧げたとてつもない愛情に少しでも報いるためにも。

フィリップ・ブラヴァル、国立モニュメントセンター会長

« Christo était un grand artiste, capable de donner à notre quotidien une profondeur nouvelle. Un Enchanteur. C’était aussi une magnifique personne alliant audace, détermination et une profonde humanité. »
クリストは我々の日常に新たな奥行きを与えた偉大なアーティストだった。まさに魔術師だ。さらに大胆で決断力に溢れ、深い人間味のある素晴らしい人物でもあった。

セルジュ・ラヴィーニュ、ポンピドゥーセンター会長
クリストとジャンヌ=クロード、パリ!

特別展「クリストとジャンヌ=クロード パリ!」
« Christo et Jeanne-Claude. Paris»
ポンピドゥー・センター
2020年7月1日~10月19日

「クリストとジャンヌ=クロード パリ!」と題され、ポンピドゥー・センターで開催されるこの大規模展は、文字通りクリストとジャンヌ=クロードの芸術家夫婦に捧げられた展覧会です。
1958年から1964年までの二人のパリ時代、またポン・ヌフ橋のラッピングプロジェクト「Le Pont-Neuf empaqueté, Paris, 1975 – 1985」の歴史を辿るものです。

クリストとジャンヌ=クロード、パリ!

クリストにとって、パリで過ごした7年間はその後の創作活動を展開させる基盤となりました。
絵の表面から解き放たれ、身の回りの物を梱包し、公共空間での期間限定の作品創作へと移行したのです。
さらに様々なパリ市のプロジェクトを企画するなかで、彼の作品はモニュメントの規模にまで発展しました。

展覧会第1部では、クリストがジャンヌ=クロードと出会った1958年から、二人がニューヨークに最終的に居を移した1964年までの間に創作された、約80点の作品を展示します。

第2部はセーヌ河にかかる橋ポン・ヌフのラッピングプロジェクトを振り返る資料展です。
モニュメント作品「Le Pont-Neuf empaqueté, Paris, 1975 – 1985」について、その構想から実現に至る各段階を約300点の資料で詳細に説明します。
オリジナルのデッサンやコラージュ、模型、写真、記録資料、実現したプロジェクトについての工学的調査とデータなどが展示されます。


また、クリストが構想し、パリ・凱旋門のラッピングプロジェクト「L’Arc de Triomphe, Wrapped [Project for Paris, Place de l’Étoile –Charles De Gaulle]」についても、2021年9月18日~10月3日に予定通り実現させるとフランスの国立モニュメントセンターが発表しました。

こちらのプロジェクトについても、来年の実現に先んじてその概要が明らかになるそう。

クリストとジャンヌ=クロード、パリ!
クリストとジャンヌ=クロード、パリ!

ラッピングされた凱旋門なんて、今までに誰も考えてこなかったような発想。
コロナ禍で大変だった時期にも関わらず、こうした活動に目を向け注力していたフランスは、芸術・文化をとても大切にしていることを改めて感じます。

芸術はどんなかたちであれ、私たちの生活をより豊かに潤してくれる存在。
まだまだ日本からフランスに旅行するのは難しいのでポンピドゥーセンターの展示は微妙なところではあるけれど、せめて来年、ラッピングされた凱旋門は見に行きたいです。

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