涼しい気配を感じるようになると、店頭でも見かけるようになってきた秋の食材。
お野菜やくだものも、すっかりと秋へと変化しているようです。
秋の味覚といえば、私は「栗」が最初に思いつきます。
お菓子の栗ももちろん美味しいのですが、旬の栗を茹でて、ほくほくの状態を食べるのがとても好きです。
「栗」は、夏に疲れ切ったバテバテのからだを元気にしてくれる、秋の薬膳食材です。
季節の変わり目の体調不良を、優しい味が癒してくれます。
とても簡単な手作りの栗きんとんも紹介していますので、今年の秋の食養生は、「栗」を堪能してみてください。
秋の不調は、夏の冷えが原因だった?!
今年は雨の多い夏でしたが、やっぱり暑さは厳しかったですね。
暑いとついついやってしまうのは、冷たいものの食べ過ぎ・飲みすぎ、冷房のつけっぱなしなど、からだを冷やしてしまうことです。
からだが冷えた状態のままだと、秋に様々な不調が出てきてしまいます。
秋になると、胃腸の調子が良くない、だるい、疲れやすい、腰が痛いなど、なんだか元気が出ない人は、からだの冷えが原因かもしれません。
冷たい食べ物(アイスクリーム、かき氷など)や冷たい飲み物(ビール、アイスドリンクなど)を多く食べたり飲んだりした、冷房のきいた部屋での作業が多かったなど、心当たりのある人は、要注意です!
「栗」は、秋の不調を解消してくれる薬膳食材
「栗」は、夏から持ち越した疲れを癒してくれるおすすめの食材です。
気を補い、脾と腎の働きを良くしてくれます。
冷えは、腎の働きを弱め、腰痛や月経痛、耳鳴りや疲れを引き起こします。
また、気の使い過ぎも、腎が弱まります。
おうち時間が長く、ストレスの多い最近の生活は、腎に大きな負担がかかっていることも。
「栗」は、からだを温めて、腎の働きをアップさせます。
さらに、気を補ってくれるので、弱った腎の働きを正常に戻してくれます。
さらに、脾も元気にしてくれます。
脾は、水分や冷たいものの取りすぎにより弱ってしまい、胃腸の不調や消化不良、倦怠感を引き起こします。
脾を元気にしてくれる「栗」は、消化吸収力をアップさせ、夏バテの症状を改善してくれます。
栄養面でも、炭水化物やビタミンを多く含む栄養食です。
美容効果や免疫アップ効果が期待でき、食欲がない時にもぜひ食べて欲しい食材です。
簡単!手作り栗きんとんで薬膳おやつ
そろそろスーパーなどでも見かけるようになってきた栗。
9月から10月が一番美味しい時期です。
栗きんとんは、栗とお砂糖のシンプルなお菓子です。
栗の味がダイレクトに感じられ、しかも簡単に手作りできます。
生の栗が手に入ったら、ぜひお試しください。
材料と分量(9〜10個分)
- 栗(生)…350g
- きび砂糖…35g(※)
作り方
- 栗をたっぷりの水に約半日ほど浸しておきます。
- たっぷりの水が入った鍋に、①の栗を入れ、火にかけます。
- 沸騰したら、弱火から中火にし、40分ほど茹でます。
(栗の大きさによって、茹で時間は調整してください。包丁で切って、芯が残っていなければOKです) - 粗熱が取れたら、栗を包丁で半分に切り、中身をスプーンなどで取り出します
- ④の栗をスプーンなどで潰すか、ざるなどで裏ごしします。
栗の粒が残したい場合はスプーンで、なめらかな口当たりにしたい場合は裏ごししてください。 - ⑤の重量を量り、重量の約10~15%の砂糖を量ります。(※)
甘さは、お好みで調整してください。 - 栗と砂糖をボウルに入れ、均一になるように良く混ぜます。
- 1個が約30gになるように量り丸めて、ラップでつつみ、茶巾絞りにします。
- 最後にきんとんの底を平らにして、完成です。
- すぐに食べない場合は冷凍保存も可能です。(ラップでつつんで約1ヶ月)
栗は、秋の根菜や鶏肉との相性がとても良いので、炒め物や煮物にもどんどん使ってみてください。
根菜や鶏肉は、元気を補ったり、からだを温めたりするものが多いので、これからの季節におすすめです。