「安全で安心で、健康にもよいココナッツオイルを、日本の食卓に広めたい」その一心から、生産地のフィリピンに出向き、ココナッツオイルの輸入・卸業を始めた荻野さん。創業のきっかけは、娘さんの育児中に起きたある出来事でした。
食べた物が人をつくる
――今では有機ココナッツオイルで有名な御社ですが、最初はお菓子の販売からスタートされたのですね。
はい。2011年に娘を出産し、完全母乳で育児をしていました。生後4ヶ月頃、私がお菓子を食べた後に授乳したら、娘が便秘になったことがあり、人の体をつくる食べ物がどれだけ大事かを思い知らされ、食生活を見直しました。そうした中で、子どもに安心して食べさせられるおいしい食べ物がもっと気軽に買えたら、という思いが芽生え、お菓子教室を主宰する地元福岡の母の助けも借りて、安心、安全な材料で作るお菓子を販売し始めました。2011年9月、ブラウンシュガーファーストの創業です。
ちなみにこの社名は、和菓子屋を創業した祖父の名前「佐藤始」に由来しています。祖父は地元に根付いた和菓子屋を営み、商売で得た利益は、地域に還元する、ということをずっとした人でした。その精神を私も受け継ぎたいという思いもあって、この社名にしました。最初は青山の国連大学前のファーマーズマーケットで、娘をおんぶしながらお菓子を売っていました。
――ナチュラルローソンでも長くクッキーを販売されています。
まだ個人事業主として仕事をしていた頃、このクッキーはナチュラルローソンにぴったりなのではと思い、営業をかけました。といっても、連絡先がわからず、ホームページを見て、最初は代表番号に電話をしたのです。お話をして、サンプルを送ることを了承していただき、送った後は頻繁にフォローし、そうしたら担当者の方とお会いできて、実際に販売していただけることになりました。私、思いついたらすぐ実行するタイプで。深く考える前に半歩出ている、というか(笑)。