我が家の黒猫、トム。
クールで気分屋、独立心が強い。
甘えないというわけではないのだけれど、甘えたなジェリーに比べるとやはりクール。
話しかけたら100%返事をするジェリーに対し、トムは気分次第。
気が乗れば返してくれるけれど、その気にならなければ聞こえていてもスルー。
そんなトムも、娘相手だと態度が違う。
呼べば間違いなく返事をするし、なんなら小走りで駆け寄る。
面白がった娘が、わざと走って移動すると後をついて回る。
母の抱っこはあからさまに迷惑そうにするのに、娘の抱っこは渋々ながらも一応耐える。
本当にこの差はなんなのだろうといつも思う。
猫マスターの友人いわく、
「ジェリーがママ派だから、トムは譲ったのね。」ってことだったけど。
別に譲らなくてもいいのに……。トムだってママっ子になってもいいのに……。
母はどうにも納得がいかない。
小さい頃はそうじゃなかった。
ジェリーと同じように母の上に乗ってきたし、結構ベッタリだったのに。
やはり友人が言うように、ジェリーに譲ったのかしらんと思わざるを得ない。
それだけ賢いのだ、トムは。
主張強めなジェリーと比べ、トムは本当に控えめ。
それでもたまに、小さな声でやたら話しかけてくることがあり。
そういうときはどんなに忙しくてもトムのおしゃべりに付き合うようにしている。
可愛くて仕方がないというのはもちろんだが、ここで無視をしたら二度と話かけてもらえないかもしれないという危機感のほうが強い。
ジェリーは多少相手をしなくてめげないし、まったく気にもしないけれど、なにせトムは繊細。
娘のあとをついて回るトムを見るにつけ、うらやましいやら微笑ましいやら、どうにも複雑な心境にはるけれど。
トムが幸せならそれでいいか……。結局はそこにいきつく。
いつかつけ回してくれる日がくるかもしれない、返事も多めにくれるかも。
そんな淡い期待を抱きつつ、日々お世話に勤しむ下僕。
To be contimew.