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19世紀パリの遊園地を楽しむ「縁日博物館」(Musee des Arts Forains)

おフランスかぶれのうたかたの日々
19世紀パリの遊園地を楽しむ「縁日博物館」(Musee des Arts Forains)

先日の連載では狩猟自然博物館をお伝えしましたが
https://cherishweb.me/38895
今回もまた一味違ったパリを楽しめる博物館「縁日博物館」(Musée des Arts Forains) をご紹介します。

パリ12区にあるベルシー・ヴィラージュは、元ワイン倉庫だった場所を改装してできたショッピングモール。
その界隈は昔、倉庫街として栄えたエリアです。
ベルシー地区にある縁日博物館もかつてはワイン倉庫でした。

縁日博物館の魅力その1:19世紀パリの移動遊園地を忠実に再現!

19世紀のパリに初めて登場した「移動遊園地」。
実際にその移動遊園地(縁日)で使用されていたメリーゴーランドなどの遊具を展示している博物館です。
驚くことに、博物館の展示物はすべて、収集家のジャン=ポール・ファヴァール氏が個人で(!)所有していたものなのです。

ファヴァール氏は来場者に楽しんでもらおうと、当時のお祭りの雰囲気をそのまま忠実に再現できるように設計したそう。
建物自体は、エッフェル塔を設計したギュスターヴ・エッフェル氏のお弟子さん作。
ウッディ・アレンの映画『ミッドナイト・イン・パリ』のロケ地でもあったこの博物館は“古き良き時代” ベルエポックのノスタルジックな雰囲気がそのまま残されています。

この博物館が他と違うところは、ガイドさんが1時間半説明しながら回ってくれるところ。
ガイドは1日1~3回(11:00/14:30/16:30)、予約必須。1グループ50人程度まで。
(年に2回、9月第3週と、年末の12月26日~学校が休みの期間は、予約なしで入場可能。ただしガイドツアーはありません)

博物館の中の主な建物は4つ。

  • Salons Vénitiens(ヴェネチアの部屋)
  • Musée des Arts Forains (縁日博物館)
  • Théâtre du merveilleux(素晴らしい劇場)
  • Magic mirror(マジック・ミラー)

この4つに加えて、素敵な中庭もあります。
建物は、貸切りパーティーもできるらしく、舞台や劇場としても使われているそうです。
ツアーで回る順番は、その日・その回によってランダム。
少なくとも2つの建物内をガイドしてくれるそうです。

縁日博物館の魅力その2:100年以上前のメリーゴーランドに乗れる!

縁日博物館の魅力その2:100年以上前のメリーゴーランドに乗れる!

Le carnaval de Venise (ヴェネチアのカーニバル)をイメージして作られた「Salons Vénitiens」。
この部屋には Manège de Gondoles de parade(ゴンドラ・パレードのメリーゴーランド)があります。
実際にこの100年以上の歴史あるメリーゴーランドに、乗ることができるのです!

乗ってみるとギシギシ、ギシギシ…と、歴史を感じる軋みが。
オルゴールの音色に乗せてゆっくり回転するメリーゴーランドに乗っていると、大人も子供もみんな笑顔になり、優しい気持ちに包まれます。

昔線路だった面影も少し残す中庭。
19世紀へ一気にタイムトリップしたかのような錯覚に陥ります。

19世紀へ一気にタイムトリップ

縁日博物館の魅力その3:大人も子供も、みんなが魔法にかけられる

「Théâtre du merveilleux」の部屋にある「Course de chevaux」(馬レース)で、当時の縁日の賑やかな感じを体感。

ボールを穴に入れて、1ポイントの穴にボールが入ると馬が1コマ進む、2ポイントの穴だと2コマ…という風に競うゲームです。
トップになると、もれなく「拍手」という景品が贈られます(笑)

隣の大広間では、テレパシーでピアノを弾くユニコーン。
それに合わせてみんなダンス!
素敵な魔法にかけられた感覚で、夢なのか現実なのかわからないひととき。

夢のツアーもいよいよクライマックスへと。
最後に「Musée des Arts Forains」 (縁日博物館)の館へといざなわれます。

「Orgue Hooghuys」
ベルギーのGrammont 社製のオルガンは、1905年のもの。
「移動遊園地が、やってきたよ~!」とArts Forainsの訪れを町中に知らせるためのオルガンです。
穴の開いたボール紙で鍵盤もドラムも、すべての演奏を制御しているのです。
元祖コンピューター!

「Manège de chevaux de bois」(木馬のメリーゴーランド)

こちらにも乗ることができました。
ちなみにフランス語で「メリーゴーランド」は「Manège」と「Carrousel」というふたつの言葉があるのですが、

  • 木馬が上下に動かずにただ回るものを「Manège」
  • 木馬が上下に動くものは「Carrousel」

という違いがあるそうです!

最後は「Manège de Vélocipèdes」(ヴェロシペードのメリーゴーランド)に乗ります。

Manège de Vélocipèdes

自転車の祖先にあたる乗り物「Vélocipède」。
1897年の乗り物です。
元祖メリーゴーランド、原動力は蒸気や電気でなく、ふくらはぎ!
30kmもの速さが出るのだとか。

私、3周目くらいから速さについていけず漕げず、乗ったまま爆笑していただけでした…

ちょっとマニアックな博物館ですが、涙が出るほど感動して楽しめました。

ガイドはフランス語のみ(時々英語圏の人のために英語でも話してくれます)ですが、フランス語がわからなくても十分に楽しめると思います!
ふらっと立ち寄ることができない予約制ですので、気になる方は是非オンラインでご予約を。
訪問日の1か月前から予約可能です。

縁日博物館 Musée des Arts Forains
http://arts-forains.com/
53 av des Terroirs de France 75012 Paris

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