日曜日に掲載されるCheRishの連載「ある人ある日の朝ごはん」が好きでいつも楽しみにしているのだけれど、それを見るたびによく食べていた台湾の朝ごはんを思い出してしまう。
日本では見かけない食べものだから近頃その思いがますます増してしまい、結構、かなり、食べたい。とここ最近ずっと思っている。
台湾の一人暮らし用の賃貸物件にはキッチンがついていないことが多い。
それはごはんを外で買って食べる文化が根付いているからということは聞いたことがあったけれど、わたしの暮らしていた部屋もやはりキッチンはなかった。もともと作ることが好きなので若干の不安はあったけれどそれなりになんとかなった。スーバーに行って豊富な食材を目にして作りたい欲が沸くことは多々あったけれどそれでもなんとか乗り切れた。
家から学校まで約10分の道のりの間にも朝ごはん屋さんはいくつもあったけれど、よく行っていたのは家の真横にあったお店だった。
きっと家族経営のお店なのだろう、一組のご夫婦とふたりのパートらしきおばさんが毎日いて、明るい笑顔でいつもてきぱき働いていた。
メニューは豊富。ハンバーガーにお粥に、黒米のおにぎりに、サンドイッチにそれからわたしの大好きな蛋餅(ダンビン)。大根餅やふかふかの蒸しパンなどもある。それぞれ注文してから調理してくれるので出来たてが食べられる。
蛋餅とは、小麦粉で作ったクレープのような皮に卵焼き、野菜、などをいれてくるくると巻いた軽食で豚肉、鶏肉、ベーコン、ツナ、チーズ、野菜などなど具材の種類も豊富。
ちなみにわたしのお気に入りは「蔬菜蛋餅(シューツァイダンビン)」という野菜の蛋餅。卵、きゅうり、キャベツなどの青菜野菜がたっぷり入っていて、塩こしょう、そして甘辛いソースで味付けをしてある。
朝から肉ものは個人的に若干ヘビーなのでその店では蔬菜蛋餅ばかりを食べていた。でもある時、豆乳をよく買いにいっていた別の朝ごはん屋さんでたぶんロスになってしまったであろうベーコン入りの蛋餅を持たせてくれたことがあって、ベーコンの適度な塩分と蛋餅のもちもち感とそのザ・朝ごはんといった感じの組み合わせに目覚めてしまい、案の定しばらく食べ続けたこともあった。
いずれにしても食べ飽きることはなかったので本当に好きなんだろうなぁ、と思う。
そして、蛋餅と合わせてそこで飲み続けていたのが薏仁漿(イーレンジャン)。
薏仁とはハトムギのことでほんのり温かい栄養豊富なハトムギのドリンク。
とろとろになった薏仁は甘酒のような口当たりでとっても優しい味。
甘酒が好きな人はきっと抵抗なくおいしく飲めると思う。
朝ごはん屋さんの定番、豆乳の「豆漿(ドウジャン)」もおすすめだけれど薏仁漿は見かけたらぜひ試してほしい、女性には特におすすめの一品。効用は美白!
ちなみに蛋餅の「蛋」とは卵のことです。
(写真左上から時計回りに)
・一番通った家の隣の朝食屋さん。テイクアウト、イートインどちらも可。
・テイクアウトのボックスのイラストはなんだかレトロでほのぼの。
お花もお店のおばさんがおまけでつけてくれた。
・カフェで食べたパイっぽい生地で包んだ蛋餅。
・夜市にも蛋餅の屋台が。地元人にも人気で行列。