CheRish Brun.(チェリッシュブラン)

好きと心地よいがつくる、私らしく楽しい暮らし

香水 ( 2 )

Tagged

享楽の吐息

夕暮れ時、ひとつひとつ家の灯りがともるように、男たちの上質なスーツのボタンホールに、赤いカーネーションがひとつ、またひとつと挿し込まれる。

ネフリティスの羽根~第四篇

四季の館が全焼した20年前の夜、10歳の僕は今のプランタン棟にあたる部屋で寝ていた。両親が襲われたとは知らず、息苦しさで目が覚めた。あたりは凄まじい煙の匂いが立ち込めていた。部屋を出ようとしたが、火と煙で進めそうになかった。

今宵、チュベルーズと踊ろう

その日の彼はずっとそわそわとして、仕事もおぼつかない状態だった。使い古されたエプロンのポケットには、小さく折りたたんだ紙が1枚。何度も読み返しすぎて、シワと手垢が滲んでいる。 「ボケッとつっ立ってんじゃないよ!ほら、お客さんだよ!」 叔母に...

若草の頃

深呼吸と共に目を開くと、まばゆいばかりの緑が広がっていた―。 新緑の季節、やっと休みを合わせることができた私たちは、束の間のバカンスを楽しむために植物の生命力に満ちた火山島を訪れることにした。日常の疲れを忘れリフレッシュに期待を込めて。 そ...

あなたと出会う香りたち

白いシャツをサッと翻し羽織ると、母が用意してくれた細いストライプのネクタイを締めた。まだ何となく慣れない窮屈さ。しかしそれと同時に、これから出会う「仕事」に高まる気持ちを抑えきれず、彼は肩を上下させながら大きく息を吐いた。 僕の第一希望の企...

ある男と香りの物語

港町にあるアイリッシュパブのカウンターで、その男が胸元のポケットに手を入れた瞬間、私は身構えた。武器かと思えば、男の手にはポルトガル製のコルクキャップの小さなガラスボトルが握られていた。ボトルに小さなスティックが詰まっている。 DANESO...

香りがくれる贈り物

12月のメリーゴーランドを走る馬たちの鼻先には、美しい香りの贈り物がぶら下がっている。ある馬の鼻先にぶらさがる、赤い缶のギフトボックスを私は手に取った。 その小瓶からこぼれ落ちた香りは、ペンハリガンからの贈り物。香りもボトルも慎ましやかで清...

モノトーンの足音

深夜にコツコツ…と、誰かの足音が近づく音で目が覚めた。 寝室の扉のすき間から漏れる仄かな光をたよりに、そっと部屋を抜け出すと、そこには光と影、白と黒。色の無い世界が広がっていた。 黒々とした木のふもとでは燃えさかる薪の炎が白く揺らめき、空の...

パウダリックという名の薄衣

夏の終わりが近づいている。 みずみずしいオゾニックな香りや砂漠のような乾いた土地を感じる香りは息をひそめ、どこか懐かしいパウダリーな香りをまといたくなる。 パウダリーという言葉が、どこか懐かく感じる響きを持っているのは、ベビーパウダーや、子...

香りに揺られてめくるめく世界旅行

毎年恒例の一人旅の季節に胸を躍らせている。 ニースのHOTEL NEGRESCO、Suite220へチェックインすると、どこからともなく優雅な甘い香りが漂ってきた。部屋に飾られたローズやジャスミンの香り、テーブルに置かれた柑橘の香り。アンジ...

※当サイトの全ての掲載記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。