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私のごきげんな毎日

「リアルな人生はもっと複雑で、微妙なものだか」ジョセフ・ゴードン=レヴィット

CULTURE&ENT

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クリストファー・ノーラン(『インセプション』『ダークナイト ライジング』)、マーク・ウェブ(『アメイジング・スパイダーマン』『(500)日のサマー』)、ロバート・ロドリゲス(『シン・シティ』)、スティーブン・スピルバーグ(『リンカーン』)など、名だたる監督がこぞって起用し、人気、実力ともに今もっとも注目を集める俳優、ジョセフ・ゴードン=レヴィット。

彼の初長編監督作品、『ドン・ジョン』(原題:『DON JON』)が3月15日(土)より、角川シネマ有楽町、シネマライズ他全国ロードショーとなる。

初監督作のテーマに選んだのは“愛”。
理想に燃える男が、理想の女性・恋愛・セックスを求め、全くタイプの違う女性二人と出会うことで、新たな価値観を見出していく姿をちょっぴりセクシーでコミカルに描いた作品だ。

ゴードン=レヴィット自身が主人公のジョンを演じ、共演にはスカーレット・ヨハンソン、ジュリアン・ムーア、トニー・ダンザ、そしてカメオ出演でさらに超豪華キャストも登場。

今回、監督・脚本・出演を務めたジョセフ・ゴードン=レヴィットのインタビューが届いた。

Q:初の監督作品を作り上げた今の気持ちを教えてください。
ジョセフ・ゴードン=レヴィット(以下JGL):
とにかく観てくれる人たちの反応が楽しみの一言だね。
僕が好きなのは、観る人によって意見や感想、受け取り方が違う映画。
実際、この作品も試写をするたびに、熱い議論が交わされたんだ。

Q:監督に挑戦した理由を教えてください。
JGL:
僕は子どもの頃から、子役として俳優業をやってきたから、自然とメディアが人々に与える影響について考えてきたんだ。
映画、テレビ、CM、雑誌、そしてポルノでさえ。

常に自分のなかにあったテーマだったから、「ならば、自分で語ってみたい」と思ったのが大きな理由なんだ。
主演も脚本も手掛けて、仕事量はとても多かったけど、非常にパーソナルな作品になり、気に入っているよ。

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Q:映像制作そのものも、初めての経験でしたか?
JGL:
いや、実は過去に短編やビデオ作品をたくさん撮ってきたんだよ。数百本にはなるんじゃないかな。

自分で撮影し、パソコン上で編集したり、音を足したり。そういった経験は今回『ドン・ジョン』を監督する上で、とても役に立ったよ。

Q:先ほど話していた「メディアが人々に与える影響」が作品の大きなテーマですね。
JGL:
その通り。僕らは映画やテレビを見たり、雑誌を読んだり、ラジオを聞いたり、ポルノを観たりする。そんなメディアが生み出す“ファンタジー”を楽しむのはいいと思うんだ。

問題はそのファンタジーを、現実世界にも期待してしまうこと。だって、リアルな人生はもっと複雑で、微妙なものだからね。

それなのに、安易なファンタジーを期待してしまい、自分がガッカリしたり、相手をガッカリさせたり。
そんな教訓を込めたつもりだよ。

Q:その象徴が、あなたが演じる主人公のドン・ジョン。そしてスカーレット・ヨハンソン演じるバーバラですね。
JGL:
二人とも極端なキャラクターだよね。
過剰なほどのポルノを観ているドン・ジョンが、過剰なほどロマンティックなハリウッド映画を観ている“王女様キャラ”のバーバラとつき合うというアイディアが、作品の出発点になっているんだ。

Q:もしかして、あなた自身とドン・ジョンに共通点があったりしますか?
JGL:
僕に似ているというよりは、彼のような資質は男女問わず、誰にもあると思うんだ。
人は誰でも「他人をモノとして見る」「相手をカテゴリー分けする」という罪を犯してしまうんだ。そのほうが簡単だからね。

もし相手の本質を知りたいのなら、表面から深層までを見つめ、相手の個性が何なのか見極める努力が必要なんだ。

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Q:バーバラ役に、スカーレット・ヨハンソンを起用した理由は?
JGL:
脚本を書く段階から、バーバラ役はスカーレット・ヨハンソンを想定したんだ。多忙な彼女が、この役を引き受けてくれたのが何より嬉しいよ。

まず、言えることは彼女が素晴らしい実力をもった女優だということ。シリアスな演技も、コミカルな側面もバランス良く見せてくれるよね。

「ロスト・イン・トランスレーション」や「それでも恋するバルセロナ」を観れば、彼女がいかに特別な存在か分かるはずだよ。実際に共演すると、改めて非常に聡明で、才能あふれるアーティストだと実感させられたよ。

Q:ジュリアン・ムーアとの共演はいかがでしたか?
JGL:
ジュリアンは僕にとって実在する最も素晴らしい女優のうちの一人だよ。僕の好きな映画にも沢山出演しているしね。

「ビッグ・リボウスキ」、「マグノリア」、「エデンより彼方に」、アラスカ州知事サラ・ペイリンを演じた「ゲーム・チェンジ 大統領選を駆け抜けた女」などを観て、女優としての凄さに圧倒されたよ。
だから、出演が決まった時は本当に感動したよ。

Q:ここ日本での公開も間近に迫っています。
JGL:
日本にはジャンルを問わず、映画を愛する土壌がしっかりあると思うんだ。
ハリウッド映画や邦画はもちろん、宮崎駿監督をはじめとする個性的な映画も受け入れているからね。

そんな“映画愛”の強い日本の皆さんに観てもらうのが、とても待ち遠しいよ。面白くてちょっぴりセクシーな映画が3月15日から公開されるので、ぜひ劇場に足を運んでほしいな。

『ドン・ジョン』
2014年3月15日(土)より、角川シネマ有楽町、シネマライズほか全国ロードショー
出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット、スカーレット・ヨハンソン、ジュリアン・ムーア、トニー・ダンザ
監督・脚本 :ジョセフ・ゴードン=レヴィット  
プロデューサー :ラム・バーグマン
© 2013 Don Jon Nevada, LLC. All Rights Reserved.

【STORY】
鍛えられた身体に甘いルックス、車も部屋も自分好みに洒落込み、趣味はジムでのワークアウト。家族も大切にするし、週末はきちんと教会に通う――このパーフェクト男ジョンは、とりわけ女に関しては負け知らず。夜毎違う美女を“お持ち帰り”できてしまうこのスーパープレイボーイを、遊び仲間は「ドン・ジョン」と呼ぶ。ジョンは自分好みの女性、理想通りのSEXを求めて女性と出会い、関係をもつがイマイチ満足できない。彼の求める究極の理想は、日々パソコンの画面に映し出されるポルノのようなセックスなのだ。そんなわけで、ジョンは至福の悦びを得られる日課のポルノ鑑賞をやめられない。ある日、ジョンはまったくタイプの違う二人の女性と出会う。そしてこの二つの出会いは、ジョンに大きな影響を与えることに・・・。

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