来年の今頃、5年後の今頃、10年後の今頃、100年後の今頃。
人間はどう生きているのでしょうか。
今年、突如としてさまざまな価値観が変わり、思うように動けなくなり、当たり前は当たり前でなくなり、あらゆる娯楽や嗜好品は不要不急とされる判断を受けました。未来への見通しができなくなり、不安な日々を強いられています。
そんな2020年、私は変わらず香水と向き合ってきました。
私が撮影した香水の写真集を自費で作成しチャリティ販売を実施したり、美容業界では初となるブランドや販売店の枠を全て超えたフレグランス専門のインスタライブをスタートさせています。
香水は、香水マニア以外にとって、日本では日常的に無いと困るものではありません。香りという特性上インターネット通販やテレビショッピングで購入しにくいジャンルでもあり、数々のブランドが打撃を受けています。さらに、他人との接触が減ったことで「TPOにあわせて纏う」概念が崩れました。これまで「他人に良い印象をアピールするため」に香水を纏っていた方は、その必要が少なくなってしまいました。ソーシャルディスタンスにより他人と物理的距離ができ、マスクの着用により、他人の香りは感じにくくなりました。
しかし、悪いことばかりではありません。他人に良い印象をアピールする必要性が低下したことで、私が以前より提案してきた「自分のために香りを纏う」ことは、結果的に主流となっています。自分が心地よく過ごすために香水を纏う、自分の気分にあわせて纏う、自分の個性の表現として纏う。とてもシンプルで素直な香りの纏い方ではないでしょうか。また、ディフューザーやルームスプレーなどルームフレグランスの需要は高まっています。これまでお部屋の香りにはあまり予算をかけていなかった方が、新たに香りを購入されるようになったのも嬉しいことです。
そのように香水の纏い方や香りの取り入れ方が変化する中で、香水ブランド側も未来のことを考えた香りづくりを進めています。
今年発売となったアクア ディ パルマの『コロニア フトゥーラ オーデコロン』は、まさにその象徴のように思います。アクア ディ パルマは、1916年創業で、100年以上イタリアの職人たちの手によって作られてきたラグジュアリーフレグランスメゾンです。
メゾンフレグランスは基本的に上質な香料を使用していることが多く、中には天然香料も含まれることもありますが、『コロニア フトゥーラ オーデコロン』は、ISO16128に基づきなんと自然由来原料99%という作りとなっています。
中身だけではなく、リサイクル可能なキャップへの変更、スプレーもリサイクルしやすいようにボトルから簡単に取り外せる仕様に。印象的なパルマイエローの外箱は、FSC森林認定された森を守る紙製品を使用しています。
元からナチュラルフレグランス、ヴィーガンフレグランスなどのテーマを掲げているブランド以外で、こういったアプローチを実際に製品として形にされた素晴らしい例ではないでしょうか。今後、さまざまなブランドが取り組まれていくと想定されます。
他ジャンルとは違い、香水に関しては、ナチュラル至上主義とは言えません。数々の名香はナチュラル素材だけで作られてきた訳ではなく、また安全性の面からもあえてナチュラル素材を起用しない場合もあることも理解しています。
ところが、図らずともサスティナビリティから目を背けられない時代となりました。アクア ディ パルマが植物の原産地を保護しながら、上記のような真のサスティナビリティと言える取り組みを商品化し、そして「メゾンフレグランス」として成立するクオリティの香りを作られたことに、私は感動しました。
柑橘のフレッシュさに、ピンクペッパーのやわらかいスパイシーさ、いきいきとした躍動感を持ちながらも、クラリセージやラベンダーのフレッシュな丸み、ラストは大地を感じるアーシーなベチバーが漂います。アロマティックなフゼアノートで、世代や性別も問わず纏える香りです。
『コロニア フトゥーラ』の『フトゥーラ』とは、ラテン語で『未来』という意味。まさに私たちのすこやかな未来のためには、サスティナビリティやエシカルへの取り組みが必要不可欠です。そして、自分が心地よく過ごすために、これからの香水を選んでいきたいですね。
【掲載商品】
■アクア ディ パルマ
「コロニア フトゥーラ オーデコロン」
50mL ¥14,500 / 100mL ¥19,500
インターモード川辺 フレグランス本部
Tel. 0120-000-599
https://acquadiparma.jp/