今年一番好きな映画がやっと公開されました！『ストーリー・オブ・マイライフ／わたしの若草物語』は、全女性に観ていただきたい映画です。私は本作鑑賞中に5回も泣いてしまいました。とくに主人公ジョー（シーアシャ・ローナン）が母親（ローラ・ダーン）に吐露するこのセリフが胸に刺さりすぎて涙腺崩壊しました。

「I’m so sick of people saying that love is just all a woman is fit for. I’m so sick of it! But…I am so lonely.（女の幸せが結婚だけなんておかしい。そんなの絶対間違ってる！ でも…どうしようもなく孤独なの）」

南北戦争時代のアメリカ北部の堅実な家庭が舞台。マーチ家の個性豊かな四姉妹の次女ジョーは、自分を曲げられないため周りとぶつかりながら、小説家を目指して執筆に励む日々。幸せな結婚を望む姉メグ（エマ・ワトソン）、病と闘う心優しい三女ベス（エリザ・スカンレン）、野心家で画家志望の四女エイミー（フローレンス・ピュー）らは、共に夢を追い、輝かしい少女時代を過ごす。そんな中、ジョーは資産家の一人息子であるローリー（ティモシー・シャラメ）と出会い友情を育み……。大人になるにつれ向き合う現実は厳しく、自分らしく生きることを願う4人はそれぞれの物語を生み出していく。

原作は、19世紀を代表する女性作家、ルイーザ・メイ・オルコットの世界的ベストセラー小説『若草物語』（1868）。私は小学生の頃に、テレビアニメ「ハウス世界名作劇場」枠で放送していた『愛の若草物語』（1987）で、この作品と初めて出会い幼心にも感動を覚えました。時を経て、時代が変わってもいくつになっても、この作品は女性の心を癒やし、勇気を与え続けてくれます。

『ストーリー・オブ・マイライフ／わたしの若草物語』の監督と脚本を担当したのは、初監督作『レディ・バード』（2018）で、少女から大人の女性になる過程をパワフルな表現力で描き、女子心を鷲掴みしたグレタ・ガーウィグ。彼女は『若草物語』の個人的で情熱的で生き生きとしたアイデアをスクリーンで表現したいと熱望。「女性がアーティストとして生きること、そして経済力を持つこと。それをスクリーン上で探求することは、今の自分を含む全女性にとって、極めて身近にあるテーマだと感じるわ」。

そして、『レディ・バード』チームから、シアーシャ＆ティモシーコンビが、純粋でプラトニックな関係をキラキラと演じています。ふたりの美貌と演技力、眩しさから目が離せません！ シアーシャは「この物語は、いつの時代よりもまさに今に適切」と語ります。「なぜなら、若い女性が自分の道を進むための自信を見つけるストーリーだから。人生のどんなタイミングに立っているかによって、物語の見方も変わってくるわ。数年間エイミーになっていたら、今度は突然ジョーになって、次はメグで、マーミー（母親）になって、もしかしたらベスに戻るかも。どのキャラクターにも自分を見出だせるわ」。

150年以上前に生まれた物語を、グレタ・ガーウィグ監督が現代を生きる女性に贈る、新しい『若草物語』。四姉妹が、自分たちがどのようにして今の自分になったかを、愛情を持って振り返る素晴らしい作品です。マーチ家の母親のように「あなたらしく生きればいいのよ」といつも私を応援してくれている私の母親と一緒に劇場で観て、また泣きたいと思います。そしてこれからの人生の岐路で何度も観たくなる映画です。

『ストーリー・オブ・マイライフ／わたしの若草物語』
全国順次公開中
storyofmylife.jp