「なつめ」を知っていますか?名前は聞いたことはあるけど、食べたことはないという人も多いと思います。私も漢方やハーブの勉強していなかった頃は、全くというほど知らない食材でした。でも、「なつめ」を知らないなんてもったいない!!ということで、今月はこれからの季節におすすめの「なつめ」を紹介します。
「なつめ」って?
なつめは、クロウメモドキ科の落葉高木になる果実です。なつめは日本ではあまり食用として使われませんが、漢方ではとてもなじみのある食材。果実を乾燥させたものは「大棗」という生薬として様々な漢方薬で使われています。中国では、「一日食三棗、終生不顕老」という言葉があります。つまり、なつめを1日3個食べると年をとらないと言われています。それは言いすぎ!?かもしれませんが、そのぐらいうれしい効果があるんですよ。
ちなみに、茶器の棗(なつめ)は、果実のなつめの形に似ていることから名付けられたそうです。
なつめの効能
なつめは、胃腸の調子を整え、丈夫にします。また、不眠やイライラなどの症状を改善します。「気」を補うので、「気」が足りていない為におこる体の冷えにも効果があります。
漢方では、冬は冷えに最も関係の深い「腎」が弱りがちです。「腎」は、発育や成長、生殖、老化などと関係があり、体が冷え、「腎」が弱ると、老化が進んだり、生理トラブルや不妊などに繋がります。また、冬の寒さで、風邪を引きやすくなったり、胃腸の調子が悪くなったりもしやすい季節です。「気」が不足していても体が温まりにくく冷えにつながっていきます。
女性にとって冷えは大敵!体を温め、胃腸の調子を整えるなつめは、女性にも冬にもおすすめ。「気」も補ってくれるので、これからの季節ぜひ取り入れてみてください。
おすすめの食べ方
なつめは、乾燥なつめやドライフルーツとして売られています。そのまま食べることができますので、おやつとして1日3個食べるのもおすすめですが、料理などにも使えるので、おすすめの食べ方を紹介します。
おすすめ①なつめ茶
水になつめを入れて、沸騰したら弱火で15分ほど煮出します。これだけ!!
煮出したなつめ茶に、クコの実やはちみつを加えても美味しいですよ。ほんのり甘酸っぱく飲みやすいので、お好みのお茶とブレンドしても楽しいですね。
おすすめ②なつめと豚肉のスープ
今回合わせたなつめ以外の材料は、豚肉、にら、黒きくらげ、しょうがです。
豚肉は「腎」の働きを高め、にらやしょうがは体を温めるので冬におすすめ。血液を浄化する黒きくらげは、乾燥にも効果があるので、冬には積極的にとり入れてみましょう。
なつめは、水から煮出して使いましょう。味付けは、鶏ガラスープ、塩、しょうゆなどお好みでどうぞ。
スープに入れると簡単に食べることができるのでとてもおすすめです。また、ご飯と一緒に炊き込んでも美味しいですよ。
なつめを炒める場合は、お湯でもどしてから使ってください。種が口に残るのがいやな場合は、取り除いてください。
「なつめ」、いかかでしたか?少し興味が湧いてきたという方は、近くのスーパーへ行ってみましょう。最近は、中華食材の売り場でも見かけることが多くなってきたので、見かけたらぜひ手に取ってみてください。