太陽の位置が低くなって、ぐっと長くなった影が秋の深まりを感じさせてくれます。
女心と秋の空ということわざがあるように、この時期はほんとうに一瞬で露出オーバーになるほど明るくなったり、突然暗くなったりと非常に光が変わりやすい季節です。
今回はパラチニットで作った飴を被写体に、光りが変わりやすい時期の撮り方などをご紹介させていただきたいと思います。
パラチニットは加熱すると気泡ができ、光に当てるとキラキラと光ってとてもきれいです。普通の砂糖で作った飴よりも控えめで優しい甘さ。
出来あがった飴を観察して思いついた言葉は
- 透明感
- 控えめ
- 優しげ
- 甘い
- おだやか
- 色が薄い
です。
これらのキーワードをもとに飴の透明感を出せるように逆光で、ほんわりした雰囲気を出せるように白い背景でF値(絞り)を低く設定して撮りました。
棒状の飴を挿した瓶にも水を入れて、光の反射で透明感が出るようにしています。
ほんの一瞬で光の量が大きく変わってしまう秋は、Aモード(絞り優先モード・希望するF値を元にシャッタースピードをカメラ側が設定)、Mモード(マニュアル・F値、シャッタースピードを自分で設定)が便利です。
P(プログラムオート)、S(シャッタースピード優先)では絞り値をカメラ側が決定してしまうので、撮りたい写真の雰囲気を決めてから撮る場合は使いません。
被写体から感じた情報をもとに、それを活かせるシチュエーション(背景・スタイリング・絞り値・明るさなど)を考えることはとても大切です。
被写体から読み取る情報量(形容詞)が多いほど、より自分のイメージに沿った写真を撮ることができます。
今回の飴は常用しても虫歯になりにくいとされるパラチニットで作りました。
作り方は非常に簡単で、オーブンシートを敷いた天板にパラチニットをスプーンで適量広げて乗せ、180℃のオーブンで約10分パラチニットが完全に溶けるまで焼いて、飴が固まる直前に食用花を乗せるだけです。※オーブンから取り出すときに天板を傾けると飴が流れてしまいます。食用花を乗せる時には火傷にご注意くださいね。
パラチニットは製菓材料店、ネットショップで250g/250円前後から購入することができます。