「フランス人はお風呂が嫌い」なんて噂、聞いたことありますか?
毎日お風呂に入らない・シャワーも浴びない、だから香水で体臭を消す…
という習慣から香水文化が発展した、という説もあります。
建物自体で一日の排出湯量が決められていたりすることもあるフランス。
実際私も昔泊まった安宿で、時間によってはお湯も水も全然出ない…なんてことも。
「フランスは硬水なので、毎日髪を洗うと逆に良くない!」
という噂も聞いたこともありますが、ある調査結果によると、
今のフランスでは「毎日シャワーを浴びない」人は2割にも満たないくらいだそうですよ!
さてさて…
フランスでは一つの「産業」として発展してきた香水。
個性を表現するツールとして、その日の気分や天気によって香水を変えたり、
アクセサリーなどのファッションと同様、フランス人にとってはなくてはならないもの。
年間400種類以上もの新作が発売されるという香水大国・フランス。
満を持して2016年12月、高級ブティックが立ち並ぶパリのフォーブール・サントノレ通り(Rue du Faubourg Saint-Honore)の一角に「パリ香水博物館」(Le Grand Musée du Parfum)ができました。
オープンする前からずーっと楽しみにしていたのですが、やっと初訪問を果たしました♪
19世紀に貴族の邸宅だった建物なので、通りからは博物館があるとは思えないエントランスです。
エントランスを入ると、お城のような建物が。。
さあ、香りの歴史を探り、新たな発見をする旅に出てみましょう。
博物館、といっても展示のほとんどは香りを“体感”できるエリア。
この博物館で一番大切なのは、「臭覚」です!
地下一階では、貴重な香水瓶などから香水の歴史を目で見て学ぶことができますが、古代エジプトで生まれた世界最古の練り香水や、17世紀に生まれた世界初のオーデコロンの香りなどを実際にかぐこともできます。
2階にのぼると、自分の臭覚を試すエリア。
このフロアで一番目立っていたのは、「香りの庭」(Jardin des Senteurs)と名付けられたインスタレーション。
見た目がとってもユニークなのですが、それぞれのオブジェに近づくと、さまざまな香りがでてくるという仕組み。
バニラやカシス、シナモンなど市販の香水にもよく使われる香りから、海や焚火の香りや、中にはコーラまで!
香りをかぎ、そしてその人の中にある、その「香りの記憶」を蘇らせる―――
「臭覚と記憶」を結びつけるので、一人ひとりが異なった感じ方をするのがとても楽しいです。
3階で際立って目立っていたのが、こちらの「香料コレクション」 (Collection des Matières Premières)。
ボールを手に取ると、解説が流れてきて、一緒に香りが出てくる、という最先端技術を駆使した仕掛け。
その数、なんと25種類!
(ひとつ1分程度解説がありますので、じっくり聞くとかなり時間を要します)
ボールを回し、「JP」のところにしてから手に取ると、ちゃんと日本語の解説も流れます。
香水、でなく原料(香料)の香り。
「あ、大好きな香水にこの原料使われていた!」と思ってかぐと、
全然違う印象に感じることも。奥深いですね…
予約制ですが、英語(もしくはフランス語)がわかる方はぜひワークショップにも参加されてみてはいかがでしょうか。
調香師や、香りのエクスパートを招いてのワークショップが定期的に開催されています。
(スケジュールについて、詳しくはホームページをご覧ください)
香水を普段つけない人も、この博物館を出るころにはきっとお気に入りの香りが見つかるはず!
Le Grand Musee du Parfum パリ香水博物館
http://www.grandmuseeduparfum.fr/
火曜~日曜 10:30 – 19:00 月曜閉館
入場料 大人 14,50€ (2017年10月現在)
73 Rue du Faubourg Saint-Honoré 75008 Paris