初めにお断りしておきたい。今回の記事はいつもより少し長めになることを。
それだけの(我が家的に)大事件勃発。
10月某日、まだ夜も明けきらない休日早朝。
ジェリーが外に出てしまった。
鍵をかけ忘れていた娘の部屋がある屋根裏の小窓から、網戸を開けて。
まだ暗い外、小窓から辺りを見渡すもよく見えない。
それでも根気よく目を凝らす。
いた…!!!
近接している同じ作りの別棟アパート、その屋根でうずくまっているジェリーを視認。
渡れたのなら戻って来られるだろう。そう思い呼んでみた。
「ジェリー!こっちだよ!戻っておいで!」
がしかし。行きはよいよい帰りは怖い。
行ったはいいが、足がすくんで戻って来られないジェリー。
お隣の屋根裏小窓に近い場所、距離としては15mくらい先。
が、隣人を叩き起こすわけにもいかず、日が昇るのを待つことに。
明るくなってから再度小窓から覗いてみた。
いない…!
どうやら移動したらしい。
外に出て、下からも探してみたが、姿は確認できない。
どうにもこうにも打つ手なし。
が、ビビりのジェリーは間違っても下には降りられないだろう。
そう判断し、焦る気持ちを抑えいったん捜索打ち切り。
その日は前々から娘と約束していた秩父行きの日。
取りやめも当然頭に過ぎったが、悶々としていても仕方がない、娘も楽しみにしている。
パワースポットとしても名高い、秩父神社へ行こう…!
ジェリーが無事戻ってくるようお願いしよう!
ふざけるのもたいがいにしろと思われるかもしれないが、その時のわたしは本気でそう思った。
文字通り神頼み。
行ったところで、ハッキリ言って楽しめるわけがない。
頭の中はジェリーのことでいっぱい。
行くべきところへ行き、神社へのお参りもそれはもう念入りに済ませ、早々に帰路へ着く。
日があるうちに捜索を再開せねばならない。
家にも入らず、外出着のまま自宅周辺を探す。
「ママいた!お隣の屋根にいる!」
娘が指差す方向、かすかに覗くジェリーの耳先を確認。
今度は迷わず隣家を訪ねる。
突然の訪問に戸惑いながらも、事情を話すと屋根裏への立ち入りを快諾して下さったお隣さん。
隣家屋根裏小窓から手をうんと伸ばして叫ぶ。
「ジェリくん!ママが支えるからこっちまでおいで!」
ジェリーも一生懸命返事はするが、やはり怖くて動けない。
あと少し手を伸ばせば届くところにいるのに、どうにももどかしい。
わたしは決めた。状況を見守っていたお隣さんへ叫ぶ。
「すみませーーーーーーーん!屋根に上らせて下さい!」
心配する隣人を説得し、小窓の枠につかまりそれだけを頼りに屋根へと出た。
一気にジェリーへ近づく。
ひたすら固まり、鳴くばかりのジェリーだったが、
母が目の前まで来たことで意を決したらしい。
恐る恐るではあるが、勇気を振り絞りこちらに近寄ってきた。
隣家小窓まで、傾斜の強い屋根上を必死にほふく前進してきたジェリー。
そんな彼を支えつつ、半ば押し込むように小窓から部屋内へ。
………助かった!!!!!
ジェリーを抱っこし、お隣さんへ平謝り&お礼を述べ。
家に帰りつき、ようやく救出の実感が沸く。
当のジェリーは、しばらく興奮気味だったが、
落ち着きを取り戻したあとはご飯もしっかり食べ、いつもどおりに寛いでいた。
くだんの屋根裏小窓は、網戸を開けられないようしっかり固定した。
これで安心して外界を眺められる。母もホッとひと安心。
To be contimew.