娘と決めていた。
いつ来るかも、どんな子だかも分からない、次に迎える子の名前。
男の子だったらトム、女の子だったら麦。
トムは、アメリカの大人気アニメ、『トムとジェリー』から、
麦は、猫の名前ランキングから、娘が決めた。(安直…)
男の子であることをわたしは密かに願った。
ミルクボランティアをしている友人(以後、姉上と呼ぶ)から、
黒猫が来るとの一報が入ったとき、さらにオスだという情報が。
これで決まった。次の子は黒猫のトムだ。
また黒猫のいる生活が始まる………!! 心はすでにトムとの生活に飛んだ。
が。
話はそこで終わらなかった。
さらに翌日。
1枚の写真が姉上から送られてきた。トムの兄弟だという。
長毛のキジトラ子猫だ。
『この子も引き取った方がいいかもよ。』
姉上が言った。
黒猫トムの報せが入ったときよりさらに、わたしは驚きで言葉を失くした。
3代目・黒猫バロンに次いで亡くなった4代目・琥寅が、まさに長毛キジトラだったから。
こんな事があるのだろうか。
立て続けに亡くなった猫たちが、兄弟になって帰ってきた。
信じられない。けど現実が眼前にある。黒猫とキジトラの兄弟。
想定外だった。
多頭飼いなんて考えてもいなかった。
現実問題として、金銭的なこともある。
けれど、トムだけを引き取って、キジトラの子を見放すのか。
色々な葛藤が一気に渦を巻く。
それでも翌日には返事をしていた。
2匹ともまとめて引き取る。
名前も即決だ。
トムの相棒と言えばジェリー。
かくしてここに、我が家のトムとジェリーの物語が始まった。
ネズミは出てこないけれど。
To be contimew.