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私のごきげんな毎日

エルヴィス

シネマキアート

“キング・オブ・ロックンロール”と称され、若くして謎の死をとげたスーパースター、エルヴィス・プレスリー。その伝説の裏側を「監獄ロック」他数々の曲に乗せて『ムーラン・ルージュ』(2001)『華麗なるギャツビー』(2013)のバズ・ラーマン監督が映画化したミュージック・エンタテイメント『エルヴィス』をご紹介します。試写室では、エルヴィスのパフォーマンスの度に、椅子が揺れていました(笑)。

米ルイジアナのライブに出演した若き日のエルヴィス・プレスリー(オースティン・バトラー)は、センセーショナルすぎるパフォーマンスを見せ、若者に熱狂的に愛される。エルヴィスの才能をいち早く見つけ、生涯にわたり彼のマネージャーを務めたトム・パーカー(トム・ハンクス)のビジネス戦略の基、圧巻のパフォーマンスを見せるエルヴィスは、スターダムを一気に駆け上がっていく。

エルヴィス

エルヴィスの真実の物語は、彼の悪名高いマネージャーであるトム・パーカーとの危険な裏側についても描かれています。トムによって語られる本作は、エルヴィスの駆け出しから前例のないスターダムに上り詰めるまで20年以上にわたるふたりの関係を、変わりゆく激動の米社会・文化を背景に掘り下げています。

エルヴィス

監督・脚本・製作を務めたバズ・ラーマン監督曰く「この映画は『エルヴィス』という題名だが、トム・パーカーの物語でもあるんだ。少なくとも、ある意味はね。彼はあまり頼りにならない本作の語り手ながら、私たちがこの物語に入るきっかっけを作ってくれる」。

エルヴィス

エルヴィス役に大抜擢されたのは、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)のオースティン・バトラー。ほぼ全編にわたり吹替えなしで歌唱とダンスを行い、監督に「エルヴィスそのもの」と言わしめたそう。そしてトム・パーカー役を、『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994)などで2度オスカーを受賞している名優トム・ハンクスが演じています。

またミウッチャ・プラダが、本作のメインキャラクターが着用する複数の衣装を手掛けたことも話題に。エルヴィスと妻プリシアが着用した衣装の資料調査を手始めに、「PRADA」と「MIU MIU」のアーカイヴから類似するものを探り、新たに制作したそう。ストーリーやパフォーマンス以外の衣装や美術の再現にも目を奪われます。

本年度のカンヌ国際映画祭アウトオブコンペ部門に出品された『エルヴィス』。現地ではこの賑わい。英ロックバンド・クイーンのボーカルだったフレディ・マーキュリーに焦点を当てた伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)に次ぐ傑作との呼び声も高いよう。

型破りに逆境を打ち破る伝説と、その裏側の危険な実話。そしてエルヴィスを殺したのは誰なのか……? その真実を知ったとき、きっと心を揺さぶられるはず。大スクリーン&大音量でお楽しみください。

エルヴィス

エルヴィス
7月1日(金)ROADSHOW
https://wwws.warnerbros.co.jp/elvis-movie/
(C)2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

フリーランス エディター・ライター國方 麻紀(くにかたまき)
香川・丸亀出身、東京・吉祥寺在住のエディター・ライター。
女性誌『ELLE JAPON』『VOGUE JAPAN』のウェブエディター、ウェブサイト「GLAM」「tend」「BRASH」統括編集長を経て、現在はフリーランスに。好きな映画のジャンルは、バイオレンスや時代劇、B級など。
「このコラムを読んで普段観ないようなジャンルの映画にも興味を持ってもらえたらうれしいです!」
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