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『完全なるチェックメイト』エドワード・ズウィック監督インタビュー

CULTURE&ENT

12月25日から公開となる、トビー・マグワイア主演『完全なるチェックメイト』。
米ソ冷戦下、1972年に世界中の注目を集め開催されたチェス世界王者決定戦。タイトルを34年間保持してきたソ連への挑戦権を獲得したのは、アメリカの若き棋士ボビー・フィッシャーをクローズアップした作品です。

エドワード・ズウィック監督

本作でメガホンをとったのは『ラストサムライ』や『ブラッド・ダイヤモンド』で知られる名匠エドワード・ズウィック監督。当時世界中の注目を一挙にあつめたアメリカとソ連両国が威信をかけた “究極の頭脳戦”を重厚かつスリリングに描きました。
そんなエドワード・ズウィック監督に本作について伺いました。

彼は天才、神童だった

–ボビー・フィッシャーは歴史的にも数奇な運命を辿るキャラクターですが、どうして彼の物語を描こうと決心されたのですか?

公の物語と個人的な物語の両方を語るつもりだった。メディアを通して語られた、ある大きなイベント。そのイベントを管理する、あるグループ。そして、秘密にされたボビー・フィッシャーの非常に私的な体験。それらの要素をバランスよく絡み合わせることが重要だった。

完全なるチェックメイト

–彼を動かしていたものとは何だったんでしょう?

彼は天才、神童だった。チェス競技で尊敬を集め、大いなる誇りと野心があった。だが、彼には子供時代に根差したある種の脆弱性があって、悪いことにそれはとても繊細でもろかった。それら2つのことが突出してせめぎ合い、彼を動かしていたのだと思う。

時代物は面白い。タイムカプセルに入るような特別の楽しみがあるんだ

–歴史的背景を見事に描き出していますが、あの時代を再現するのは楽しかったですか?

楽しかったよ。旧式フィルムを使って、昔のカメラで撮影した。当時のニュース映像を真似るのも面白かった。インタビューのいくつかは実際の言葉を使い、ディック・カヴェット本人に来てもらって、ボビーとのインタビューや映像をまとめる手助けをしてもらった。時代物は面白い。タイムカプセルに入るような特別の楽しみがあるんだ。

完全なるチェックメイト

–冷戦という歴史的背景はいかがでしょう。競技以上の駆け引きがあったのでは?

そうだね。あれは、第二次戦略兵器制限交渉(SALT II)直前の時代だ。僕は60年代初期に育ったが、キューバ危機が起こり、僕たちは机の下にかがんで防御した。アメリカがソビエト連邦を差し迫った脅威と見なした時代だった。そんな時、我々はこのブルックリン出身の若い米国青年をソ連に対抗すべく送り込んだ。我々の心に響く素晴らしいドラマだよ。

–この映画のあとに、彼の心に何が起こったのだと思いますか?

彼はすでに落ち目だったし、それは避けられないことだと思う。診断の前だが、彼は確かに妄想性障害を患っていたと思う。

彼らは才能を手足ではなく、知力で示す

–チェスの駆け引きが面白いです。この競技は小さなボードの上で起こるのに、サスペンスに満ちています

確かに。チェスはどのスポーツにも劣らないほどサスペンスに満ちている。素晴らしい選手がいる。精神の強さが問題だと偉大な選手は口を揃えて言う。彼らは才能を手足ではなく、知力で示す。2つの知性の闘いだ。

完全なるチェックメイト

–互いの心理戦が物を言う?

その通り。「チェスは相手を支配することだ」とボビー・フィッシャーは言った。意志の勝利なんだ。

–トビー・マグワイアが本当に素晴らしかったです。彼はどういったタイプの俳優ですか?

天賦の才能があるほかに、仕事に対してとても真剣だ。完璧にリサーチし、準備万端で、集中し、個々のシーンややってみたいことについて話し合うことができる。

完全なるチェックメイト 撮影風景

–最後に、監督が目指したのはどのようなことですか?

非常に大きくて重要な歴史的瞬間を背景にした、とても個人的な物語を作ることだったね。

完全なるチェックメイト

12月25日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開
http://gaga.ne.jp/checkmate
© 2014 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved. Photo Credit: Tony Rivetti Jr.
キャスト:トビー・マグワイア/ピーター・サースガード/リーヴ・シュレイバー
監督:エドワード・ズウィック

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