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私のごきげんな毎日

都市を歩くように -フラン・レボウィッツの視点-

シネマキアート

巨匠マーティン・スコセッシが、友人の辛口作家フラン・レボウィッツの視点を通して「ニューヨーク」を紐解くドキュメンタリーシリーズ『都市を歩くように -フラン・レボウィッツの視点-』をご紹介します。御歳70のニューヨーカー、フラン・レボウィッツのユーモアたっぷりの弁舌と潔い生き方に、私はすっかり魅了されました。

フラン・レボウィッツは、アンディ・ウォーホルが1969年に創刊した米カルチャー誌「​インタビュー・マガジン」をはじめとしたさまざまな雑誌にコラムを寄稿し、ニューヨークを拠点に活動する作家・文化評論家。彼女に焦点を当てたスコセッシ監督のドキュメンタリーは『パブリックスピーキング』(2010)以来、2作目となります。

都市を歩くように -フラン・レボウィッツの視点-

本作では、スコセッシ監督がレボウィッツに(1)ニューヨーク(2)文化(3)都市交通(4)お金(5)スポーツ・健康(6)世代の変遷(7)図書について、インタビュー。どのテーマでもレボウィッツ節が炸裂し、スコセッシ監督が大笑いしている様子が伺えて、それがまた微笑ましいのです。

「ユーモアのセンスは、身長を伸ばすのと同じで学ぶものじゃない。12歳くらいの時に母に『面白いことは言わないで。モテないわよ』って言われたけど、実際は違った」

「最近どうしても許せない言葉がある。“ウェルネス”。特別に健康という意味らしいけど、私にはものすごく欲深く感じる。病気じゃないだけでは足りないのね。私には必要ない」

「アンディ・ウォーホルが亡くなる2週間前に彼の絵を売ったの。不動産屋と同じ過ちを犯したわ。亡くなったら値が上がったの。彼は思ったはず『ざまあみろ』って」

レボウィッツが闊歩するニューヨークの風景、レイ・チャールズや映画サントラなど心地いい音楽が流れる中、俳優アレック・ボールドウィン、映画監督スパイク・リー、作家トニ・モリスンらとの過去の対談映像シーンも組み合せられて、レボウィッツのウィットに富んだ言葉と我が道を行く生き方が深堀りされています。

『都市を歩くように -フラン・レボウィッツの視点-』
Netflixにて独占配信中
https://www.netflix.com/title/81078137

フリーランス エディター・ライター國方 麻紀(くにかたまき)
香川・丸亀出身、東京・吉祥寺在住のエディター・ライター。
女性誌『ELLE JAPON』『VOGUE JAPAN』のウェブエディター、ウェブサイト「GLAM」「tend」「BRASH」統括編集長を経て、現在はフリーランスに。好きな映画のジャンルは、バイオレンスや時代劇、B級など。
「このコラムを読んで普段観ないようなジャンルの映画にも興味を持ってもらえたらうれしいです!」
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