CheRish Brun.|チェリッシュブラン

私のごきげんな毎日

ようこそ映画音響の世界へ

シネマキアート

映画の名シーンの背景には、必ず印象深い“音”があります。あの名作映画の“音”はどうやって作られたのか? 今回は、“音”が映画にもたらす効果と重要性に迫るドキュメンタリー映画『ようこそ映画音響の世界へ』をご紹介します。

ようこそ映画音響の世界へ

「映画音響」とは、登場人物の声はもちろん、環境音や効果音、音楽など、映画における“音”のすべてを指します。『スター・ウォーズ』(1977)のR2-D2やチューバッカの声、『トップガン』(1986)に登場する戦闘機の音、『マトリックス』(1999)で現実世界に入るデジタル音などに隠された驚きの正体とは? 本作では、近年の名作映画のフッテージ映像をふんだんに使い、知られざる映画音響の歴史に迫っています。

ようこそ映画音響の世界へ

“音”へのこだわりについて語るのは、豪華巨匠たち。『スター・ウォーズ』のジョージ・ルーカス、『エレファント・マン』(1980)のデヴィッド・リンチ、『ジュラシック・パーク』(1993)のスティーヴン・スピルバーグ、『トイ・ストーリー』(1995)のジョン・ラセター、『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)のソフィア・コッポラ、『インセプション』(2010)のクリストファー・ノーランらが音響技術者たちへのリスペクトを込めつつ、“音”の芸術性や重要性を熱く語っています。

ようこそ映画音響の世界へ

メガホンを取ったのは、男社会と言われる映画界で長年戦い続けてきた女性音響デザイナー、ミッジ・コスティン。初監督作作となる本作には、『スター・ウォーズ』などを手掛けたベン・バート、『地獄の黙示録』(1979)などで知られるウォルター・マーチ、『ジュラシック・パーク』(1993)などに携わったゲイリー・ライドストロームといった映画音響界のレジェンドたちのインタビューも。裏方として映画を支えてきた音響技術者たちが「役者と同じように“音”で演技する」「鳥肌が立てば成功」と、観客を作品世界に引き込んでいく未知なる音作りについて明かしています。

ようこそ映画音響の世界へ

ハリウッド100年の“音”の歴史がすべて集約された『ようこそ映画音響の世界へ』。映画音響作りに挑み続ける技術者たちの飽くなき挑戦と、奥深き仕事愛を知れば、これからの映画鑑賞も違ったものになるはず! まもなく公開されるクリストファー・ノーラン監督最新作『TENET テネット』(9月18日公開予定)、続編公開が控えている『トップガン マーヴェリック』や『マトリックス4(原題)』など、ストーリーと合わせて、ぜひ“音”にもご注目を!

『ようこそ映画音響の世界へ』
8月28日(金)より新宿シネマカリテほか全国順次公開
http://eigaonkyo.com/
(C) 2019 Ain’t Heard Nothin’ Yet Corp.All Rights Reserved.

フリーランス エディター・ライター國方 麻紀(くにかたまき)
香川・丸亀出身、東京・吉祥寺在住のエディター・ライター。
女性誌『ELLE JAPON』『VOGUE JAPAN』のウェブエディター、ウェブサイト「GLAM」「tend」「BRASH」統括編集長を経て、現在はフリーランスに。好きな映画のジャンルは、バイオレンスや時代劇、B級など。
「このコラムを読んで普段観ないようなジャンルの映画にも興味を持ってもらえたらうれしいです!」
Share / Subscribe
Facebook Likes
Tweets
Hatena Bookmarks
Pinterest
Evernote
Feedly
Send to LINE