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私のごきげんな毎日を送るライフスタイルマガジン

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今回は私が今年一番衝撃を受けた映画『ルーム』を紹介したいと思います。

天窓がひとつだけある、監禁された“部屋”で暮らすママ(ブリー・ラーソン)とジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)。ジャックが5歳になった時、ママは奪われた人生を取り戻し、“部屋”から一歩も出たことがない息子に本当の世界を見せるために、逃げ出すことを決意する。ママの愛だけを武器にまだ見ぬ外界へと飛び出したジャックの息もできないスリリングな脱出劇は成功するのか…?

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普通のサスペンス映画なら、救出されてTHE ENDですが、本作はここからまた苦悩と再生の物語が始まります。その後もまだ“ルーム”に捕らわれ、精神的なトラウマを抱えるママ。そんな自分とジャックにどう接したらいいのか迷い苦しむママの両親。

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ストーリーを聞くと、重く感じるかもしれませんが、ジャックの視点で撮られているので、女性の皆さんが目を背けたくなるような直接的なシーンはありません。また、ママの息子を想う気持ちや、ジャックの「新しい世界に出会う」追体験ができ、暗い状況の中にも多くの愛と希望を見出しています。新しい世界に順応し始めたジャックの言葉には本当に胸が熱くなります。

そして、本作のママ役になりきるためのブリーの役作りは過酷でした。まず、食料を十分に与えられない監禁生活をあらわすために食事制限で空腹感を出し、精神ショック状態を体感するために必要時以外は家に籠もり、外出しても太陽を避け、隔離された日常生活を送ったそうです。

Brie Larson
Brie Larson

準備期間から自分を極限状態に追い込んだ甲斐あって見事、ブリーは第88回アカデミー賞主演女優賞を獲得しました(授賞式での「GUCCI」のブルーのドレスは素敵だった!)。彼女は、女優としてだけではなく、監督、脚本家、シンガーソングライターとしても活躍しています。なんと多才なこと。

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また、ジャック役のジェイコブくんも素晴らしい! この難役を完璧に演じ、シカゴ、ラスベガス、サンディエゴの映画評論家協会賞を始め数多くの賞に輝いています。今後の彼らの活躍が楽しみですね。

仕事柄、映画はたくさん観ますが、なかなかこういう衝撃を得られる映画と出会うことはありません。大きすぎる世界に飛び込んだ、母と息子の感動の結末を劇場で見届けてください。

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4月8日(金)全国ロードショー

フリーランス エディター・ライター國方 麻紀(くにかたまき)
香川・丸亀出身、東京・吉祥寺在住のエディター・ライター。
女性誌『ELLE JAPON』『VOGUE JAPAN』のウェブエディター、ウェブサイト「GLAM」「tend」「BRASH」統括編集長を経て、現在はフリーランスに。好きな映画のジャンルは、バイオレンスや時代劇、B級など。
「このコラムを読んで普段観ないようなジャンルの映画にも興味を持ってもらえたらうれしいです!」
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