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私のごきげんな毎日

マイ・インターン

シネマキアート
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今回は、最近観た映画で一番癒やされた『マイ・インターン』を紹介します。アン・ハサウェイが主演で、ニューヨークのファッション業界が舞台なので、『プラダを着た悪魔』(2006)を想像する方が多いと思います。確かに『プラダを着た悪魔』の主人公のその後のようなストーリーですが、『マイ・インターン』は今時のリアリティがあって、華やかな部分以外が多く描かれていて、何より人生の先輩に敬意を払った人情ドラマなので、私は『プラダを着た悪魔』よりも『マイ・インターン』のほうが好きです。

ファッションサイトを運営する会社のCEOのジュールズ(アン・ハサウェイ)は、仕事と家庭を両立させ、女性の理想像を描いたような人生を送っている。ある日、40歳年上のシニア・インターンのベン(ロバート・デ・ニーロ)が彼女の部下として雇われ、人生経験豊富なベンの的確なアドバイスやその優しい人柄に触れ、ジュールズはがんばりすぎていた自分を変えていく…。というストーリーですが、はっきり言うとそこまで山あり谷ありな内容ではありません。CEOほどの仕事ではないにしても、働く現代女性によくある悩みや不安にぶつかるわけです。

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でも、本作に登場するキャラクターが本当にいい人だらけ! デ・ニーロ演じるベンの言動、表情、佇まいがもうすべてを表しています。そんな彼だから周りの若者たちも皆優しいし、観ていて幸せな気持ちになります。本作で初共演を果たしたデ・ニーロとアンですが、アンは役柄同様、俳優としての立ち振る舞いをデ・ニーロから学んだと語っています。御年72のデ・ニーロですが、私は『グッド・シェパード』(2007)で来日した時に初めて生デ・ニーロを拝ませていただきました。これまで私が抱いていた若き日の彼のイメージとは違い、なんて優しい笑顔で手を振るんだとビックリ&癒されましたが、本作でも同様のデ・ニーロ・スマイルが観られますよ。

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また、本作のジュールズを観ていて、私はアンの実生活と少し重なって見えました。彼女は2012年にTV俳優のアダム・シュツルマンと結婚しました。彼は、アンが主演した『ブルックリンの恋人たち』(2014)でプロデューサーも務めましたが、アンに比べたら知名度も稼ぎも低いと思われます。アダムは本作のジュールズの旦那のような主夫でないけれど、バリバリ働く女性をきっと優しくて受け止めてくれるタイプで、アンにとってはそういう男性が居心地がいいんだろうなと。ちなみに彼はジュエリーデザイナーでもあり、夫妻の私服スナップはいつもおしゃれです。

そして、本作のファッションも見所です。米TVドラマ『アグリー・ベティ』シリーズや映画『セックス・アンド・ザ・シティ2』(2010)の衣装スタッフが担当していて、豪華なハイブランドからキュートなリアルクローズまで、アンはファッションサイトのCEOらしく、上手くミックスして着こなしています。

本作は、仕事とプライベートに奮闘する現代女性たちにドンピシャの映画です。本当に優しさが満ち溢れた応援メッセージが詰まっているので、癒されて幸せな気持ちになってください。

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・インターン
10月10日(土)全国ロードショー
http://wwws.warnerbros.co.jp/myintern/
(C) 2015 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC ALL RIGHTS RESERVED

フリーランス エディター・ライター國方 麻紀(くにかたまき)
香川・丸亀出身、東京・吉祥寺在住のエディター・ライター。
女性誌『ELLE JAPON』『VOGUE JAPAN』のウェブエディター、ウェブサイト「GLAM」「tend」「BRASH」統括編集長を経て、現在はフリーランスに。好きな映画のジャンルは、バイオレンスや時代劇、B級など。
「このコラムを読んで普段観ないようなジャンルの映画にも興味を持ってもらえたらうれしいです!」
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