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コレット

シネマキアート
コレットのキーラ・ナイトレイ

フランス文学界で最も知られている女性作家シドニー=ガブリエル・コレットをご存知でしょうか? ファッションデザイナーのココ・シャネルや芸術家のジャン・コクトーなど多くの著名人と大変親しく、自著の舞台化にあたっては、当時無名だった新人女優オードリー・ヘップバーンを主役に大抜擢し、彼女を一躍スターした立役者でもあります。今回はそんな彼女の波乱と情熱に満ちた半生を映画化した『コレット』を紹介します。

コレットのキーラ・ナイトレイとドミニク・ウェスト

フランスの田舎町で生まれ育ったコレット(キーラ・ナイトレイ)。14 歳年上の人気作家ウィリー(ドミニク・ウェスト)と結婚し、“ベル・エポック”真っ只中の活気にあふれていた 1890 年代のパリへと移り住む。コレットは夫とともに芸術家たちの集うサロンで、享楽の世界に浸っていた。

コレットの芸術家たちの集うサロン

そんななか、コレットの才能にいち早く気が付いたウィリーは、自身のゴーストライターとして彼女に小説を書かせることに。その後、コレットが執筆した『クロディーヌ』シリーズは、社会現象を巻き起こすほどの一大ブームとなる。いつしか、世間もうらやむようなセレブ夫婦として注目されるコレットとウィリー。しかし、コレットは自分が作者であることを世間に認められない葛藤と夫の度重なる浮気と抑圧に苦しめられ、自らの力で切り開いた道の先にコレットが見つけた“希望”とは……。

コレットのガーデンシーン

魅力に満ち溢れたコレットを体当たりで演じたのは、英人気女優キーラ・ナイトレイ。コレット役を引き受けたキーラ曰く「だってコレットはかっこいいでしょ。とても興味深い女性だと思ったの。それにウィリーとの関係にも強く惹かれ、そこに真実があるように思えた。男性との力関係や一緒に働くことについて、女性として私も共感する部分があり、物語に入り込めたわ」。

コレットのキーラ・ナイトレイ

そして、監督を務めたのは『アリスのままで』(2014)のウォッシュ・ ウェストモアランド。かねてよりコレットに想像力を掻き立てられてきたウェストモアランド監督は、公私ともにパートナーだった故リチャード・グラッツァーと 16 年以上に渡って脚本を推敲したほど、思い入れの強い意欲作となっています。

コレットのキーラ・ナイトレイ

昨今の#MeToo 運動をはじめ、女性の自立や自由が叫ばれる現代において、まさに先駆け的存在ともいえるコレット。彼女の晩年の名言がこれ。「いい人生よ、早く気づけばよかった」。男性優位の時代でも慣習やジェンダーにとらわれることなく、恋に生き、人生を謳歌したコレットにこの春、触れてみては。

コレットのポスター

コレット
5月17日(金)TOHO シネマズ シャンテ ほか全国ロードショー
配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
(C) 2017 Colette Film Holdings Ltd / The British Film Institute. All rights reserved.

フリーランス エディター・ライター國方 麻紀(くにかたまき)
香川・丸亀出身、東京・吉祥寺在住のエディター・ライター。
女性誌『ELLE JAPON』『VOGUE JAPAN』のウェブエディター、ウェブサイト「GLAM」「tend」「BRASH」統括編集長を経て、現在はフリーランスに。好きな映画のジャンルは、バイオレンスや時代劇、B級など。
「このコラムを読んで普段観ないようなジャンルの映画にも興味を持ってもらえたらうれしいです!」
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