CheRish Brun.|チェリッシュブラン

ちょうどいい私、ちょうどいい暮らし。心地よく、ごきげんな毎日へ。

たのしみ上手 ― 五感で味わう秋の栗仕事

MONTHLY THEME

秋の気配が深まると、台所での時間が恋しくなります。
そんな季節にぴったりなのが「栗仕事」。

栗

少し手間はかかりますが、そのひとつひとつの工程の中に、秋の香りやぬくもりが詰まっています。
今年は、五感で味わう“栗の渋皮煮”に挑戦してみませんか?

五感で楽しむ、栗しごとの時間

栗を洗い、皮をむき、コトコトと煮る――。
栗に包丁の刃を入れる時の感触、煮ている時のコトコトと静かな音、立ち上る甘い香り……

栗の渋川煮を作る

栗仕事は、五感で秋を感じられる台所の時間です。
忙しい日々の中で、ゆっくりとお鍋を見守る。そんなひとときが、心をやわらかくしてくれます。

栗の渋皮煮、基本のつくり方

材料(作りやすい分量)

栗
  • 生栗……500g(鬼皮を剥き灰汁抜きした状態)
  • 重曹……小さじ1 ※1回につき
  • 砂糖……300g(栗の60%を目安に)

つくり方

① 鬼皮をむく

鍋に湯を沸かし、弱火で栗を5〜6個ずつ入れて2〜3分温めます。
取り出したら、底から包丁を入れて鬼皮をむき、水に浸けておきましょう。
熱いのでビニール手袋を使うと安全です。
★ポイント:渋皮に傷をつけないように丁寧に。煮くずれの原因になります。傷ついた場合は他のものに使いましょう!

② 重曹でアクを抜く

むいた栗を鍋に入れ、かぶるくらいの水と重曹小さじ1を加えて火にかけます。
沸いたら弱火で10分ほどゆで、アクを取りながら下ゆでします。
ゆで終えたら水ををそそぎ、触れるくらいの湯加減になったら指の腹でやさしくこすって汚れや筋を取り除きます。(筋は竹串と使うと取りやすいです)
同じ作業をもう2回(計3回)繰り返します。
最後は重曹を入れずにゆで、重曹を抜きます。

栗の渋川煮を作る
写真は2度目に茹でるところです

③ 砂糖で煮る

栗をきれいに整えたら、重さを量り砂糖の分量を決めます。
鍋にひたひたの水(約4カップ)と砂糖の1/3量を入れて火にかけます。
煮立ったら弱火にし、10分ほどコトコト。
残りの砂糖を2回に分けて加え、その都度20〜30分ずつ静かに煮ます。
火を止めたらそのまま冷まして、ゆっくり味を含ませましょう。
★ポイント:砂糖は3回に分けて加えると、ツヤよく仕上がります。

④ 保存する

煮沸消毒した瓶に、栗と煮汁を入れて冷蔵庫へ。
1ヶ月ほど保存可能です。

手間はかかりますが、その過程こそが栗仕事の醍醐味。
お鍋の中の湯気を見つめながら、ゆっくりとした時間を楽しみましょう。

できあがった栗で、秋を味わう

できあがった渋皮煮は、まずはそのまま味わってみてください。
自分の手で丁寧に作ったものをひと口食べる瞬間には、心がふっとほどけるようなご褒美の時間があります。

栗の渋川煮

温かいほうじ茶や紅茶と合わせると、やさしい甘さがより引き立ちます。
そんな時は、お気に入りの器を選んで、小さな“特別感”を添えてみるのもおすすめです。

ヨーグルトやトーストにのせたり、アイスに添えたりするアレンジも楽しめます。
季節の味を少しずつ味わいながら、秋の深まりを感じてみてください。

“栗仕事”が教えてくれること

栗仕事は、少しの手間を惜しまず、五感を使って季節を味わう時間。
すぐにはできないことを、丁寧に。

そのプロセスこそが、たのしみ上手の第一歩なのかもしれません。
手間の中にある静かな豊かさを、今年の秋に感じてみませんか?

栗

そして、季節の手しごとは秋だけのものではありません。
初夏の「梅仕事」や、冬の「味噌づくり」、春の「柚子茶」や「甘酒」づくりも、
季節を感じながら自分の手で作る楽しみを味わえる時間です。

少しだけ手を動かして、香りや手ざわり、湯気を感じる。
そんな瞬間の積み重ねが、暮らしを豊かにしてくれます。

アバター
編集長・小路桃子のひとり言
母が季節の手仕事を楽しんでいるのを見て、今年は私も久しぶりに栗の渋皮煮を作ろうと思いました。

今は一年中、なんでも手に入るけれど、それでもやっぱり旬の食材を使って手仕事をするのは、暮らしのたのしみのひとつ。

心に余裕がないとできないなと思っていたけれど、それは少し違うのかもしれません。
もしかしたら、心に余裕をもつためにこそ、季節の手仕事が必要なのかもしれない。

少し気が早いけれど、今年の冬はお味噌を、来年は久しぶりに梅干しを仕込もう。
いつでも季節を楽しめる私でありたいなと思う、今日この頃です。
栗の渋川煮を作る
とっても美味しく作れて大満足
Share / Subscribe
Facebook Likes
Posts
Hatena Bookmarks
Pinterest
Evernote
Feedly
Send to LINE