以前にも話したことがあると思うのだけれど、ハウルはとっても食い意地が張っている。
小さな体で誰よりも食べるし、とにかく貪欲、食に対して。

「飢えを味わったことはないはずなのに、どうしてこんなになってしまったのか……。」
彼が食べている姿を見るにつけ、ため息交じりにそう思う。
つい先だっての朝、今まで一度もお腹を下したことのないハウルが怪しげな便をしていた。
「すわ、病院か!?原因は!?病院連れて行かなきゃダメか!?」
坊っちゃんたちの体調不良には本当に神経質になるので、脳内は一気にフル回転。

でも、どうにも原因が思い当らないし、お腹を下している以外はピンピンしている。食欲だって旺盛だ。
そこで冷静になって考える。考えている最中に、あるものが見当たらないことに気が付いた。
前日に買っていた和菓子。いくつか買っていたのだけれど、翌日の楽しみにとひとつだけ取っておいた。

ラップに包んでキッチンに置き、あとでしまおうと思ってそのまま出しっぱなしにしてしまったのだ。
その和菓子が見当たらない。さらに部屋を捜索したところ、和菓子を包んでいたと思われるラップが隅のほうに転がっていた。
「こ…これはもしや…。」
母は確信した。
ハウル和菓子発見→ラップと格闘→見事ラップが外れる→和菓子現る→狂喜乱舞で和菓子むさぼる→腹下す
まるで現場を見たかのように、事の経緯が想像できて……。

それは下すでしょうよ。猫が和菓子を食べるなんざー、お腹も壊すでしょうよ。
ハウルはその日1日絶食をしたところ(腹下しには基本絶食)、案の定翌日には元通り。
ラップとともにほんのひとかけら、和菓子の残骸を見つけた。
「あぁ…、楽しみにしていたのに……!!」
食べ物の恨みは、たとえ相手が我が子であっても変わらない。

二度と出しっぱなしにはしない。そう固く心に誓った母なのであった。
To be contimew.






