インタビュー

【後編】これまでの人生の集大成が、この本!〜『東京弁当生活帖。』出版記念座談会〜

自身のブログ10年分をまとめた『東京弁当生活帖。』著者の杉森千紘さんと、編集の中島さんに、本の誕生秘話を聞く第2回。「これまでの人生の集大成がこの本」と語る杉森さん。最後は仕事哲学も飛び出しました。(前編はこちらから)

出席者
杉森千紘さん――『東京弁当生活帖。』(セブン&アイ出版 2017年)著者。
中島元子さん――『東京弁当生活帖。』担当編集者。
小路桃子――CheRish編集長。杉森さんの元同僚。
菅原然子――聞き手+文・構成

著者の杉森さん(左)と編集の中島さん

著者の杉森さん(左)と編集の中島さん

「絶対に売れます」と言い切る編集者

菅原:中島さんはもともと杉森さんのブログの読者だったのですか?

中島:そういうわけではないんです。季節的にお弁当の本が出したいな〜と思っていてネット検索したり、ブログのランキングを見ている時に杉森さんのブログ「東京弁当生活。」に出会いました。文章がずば抜けて面白いので、どうしても本にしたい!と思ったんです。

杉森:会社辞めた頃、ブログをはじめて10年経つし、そろそろリニューアルしようかなと思っていました。そしたらももちゃん(小路)が「リニューアルするなら絶対に問い合わせページを作ったほうがいいよ!」って言うからつけてみたら、中島さんから問い合わせがきたんです。

中島:たぶん他の出版社の編集の方たちもみんな、「このブログ、本にしたい!」と思っていたと思います。だけど、PVもわからないし、レシピが載っているわけでもないので実用本とも違うし。どうしよう、と、きっと周辺をぐるぐる回っていたのではないかと。

杉森:確かにこのブログ、レシピはないし、何かに特化しているわけでもない。突然旅行にも行くし、ほぼ私のライフブログみたいになってますからね。

小路:でもその中で中島さんは声をかけた。すごいですよね。

中島:うちは社風として、編集者が売れると思ったものは信じて作らせてもらえる会社なので、数字の説得力がなくても、この人の本ならいけると思って問い合わせフォームから連絡しました。

塩鮭ボーン!弁当。ネーミングがまた楽しい

杉森:中島さんがすごいのは、「絶対売れます!売りますから!!」って言い切るところ。こっちから見たら何の根拠もないのに(笑)。

中島:いえ、これだけ文章が面白いので、絶対に売れると思いました。実際、発売6日後には増刷決まりましたから。

料理分析はもう癖

菅原:コラムには旅行の話も出てきて、お弁当にはヨルダンのフムス、韓国のトッポギ、ベトナムのバインミーなど、いろいろな国の料理も登場しますが、旅先で作り方を聞いたりするのですか?

次回は人気シリーズ「そうだ、◯◯いこう。」が本になることに!

杉森:いや、聞かないです。ネットがあるのでね。私、検索の鬼なんです。

小路:そう、杉森さんの検索、すごい早いの。会社員時代、私が隣の席でボソっと「●●が知りたい」って言うと、バーッて調べて、ガーッと画像出してくれた。

菅原:なるほど。この本、レシピは載っていないのですが、普段もあまり材料を量らずに料理します?

杉森:量らない。

中島:料理できる人ですね。

杉森:いや、そんなことないですよ。失敗もいっぱいしている。「あああああああこんなの混ぜなきゃよかった!」みたいなこともよくあるんです。でもまあ、打率はだんだんよくなってきているかもしれないです。

小路:あと、一緒にご飯食べに行くと、もう私たちの癖だと思うんだけれど、何が入っているか分析するよね。

杉森:する! 当てっこするね。「人参のすりおろしが入っているはず」とか(笑)。

小路:ケーキも層を上から一枚一枚はがしていく、みたいなね。

杉森:好奇心は旺盛です。好奇心と、知りたい欲を満たすのと、弁当が合致すると、こういう本になります。

ここから杉森さんのお弁当は誕生する

人生無駄なし!

菅原:料理とIT、一見関係なさそうに見えますが、スケジュール管理や検索その他、この本作りにはすべてが詰まっているんですね。

杉森:そうですね。これまでの私の人生の集大成がこの本です。CA時代にいろいろな国に行けた経験とか、IT業界で身につけた検索スキル、デザイン、営業、そのほか全部。ありとあらゆる私の人生の点と点が全部つながった感じ。人生、無駄なことってほんとにないなと思って。

小路:仕事でメルマガも書いていたしね。

杉森:そう。短い文章でまとめる力はそこでついた。IT企業には、もともとはウェブデザイナーの枠で入社したのですが、会社の方針でカスタマーサポートから営業、サービスの運営まで、すべて経験しました。メルマガを書く機会もあったんです。

小路:話変わるけど、私たち会社辞めてよかったよね。

杉森:よかった。先の事何も決めず、何も考えずに辞めたけれど、よかったと思う。ただ、会社員は経験できてよかったなと思う。最初からフリーランスだったら、奇人で終わってる。

小路:奇人(笑)。でも確かに、会社で働いたから、名刺交換の仕方から、チームでの仕事の仕方、社外の方とのやりとりまで、いろんなことを教えてもらえた。お給料いただきながら勉強させていただいた、みたいな。自分がやりたい!と思ったことを割とさせてもらえる環境だったしね。

杉森:世の中の大概の人は会社に勤めているわけだから、その仕組みがわかっているのは大事だと思う。あと、仕事を続けていると、段取りがよくなってきますよね。そうすると、だんだん「何を」するかよりも、「誰と」するかが大事だなと思い始めて。最後は人だなと。

小路:すごくわかる。どんな人と仕事をするかは、大事だと私も思う。私は杉森さんから「編集者さんと相性が良い」ってずっと聞いていたんです。なので、そんな相性の良い編集者 中島さんに聞きたかったことが・・・ズバリ!中島さんは今後、杉森さんにどうなってほしいですか?

中島:エッセイストになってほしいです!もっと杉森さんの文章読みたいですよね。

杉森:気が向けば、なるかも(笑)。

中島:そうなんでしょうね…。やっぱり自由人だわ。

杉森千紘(ブロガー)
ブログ「東京弁当生活。」管理人。福井県出身。国際線CAとして勤務の後、渋谷のIT企業に十数年勤め、現フリー。2006年より節約と健康のために弁当づくりをスタート。どうせ作るならメモっておこうとこっそりはじめたブログ『東京弁当生活。』が、いつのまにか月間PV100万超えの人気ブログに。趣味のひとり旅や食べ歩きメモなど弁当以外のコンテンツも人気。
[BLOG] http://tokyobentolife.com/
[Instagram]@tokyo_bento_life
[Facebook]@tokyobentolife
[Twitter]@tokyobentolife

菅原然子(すがわらのりこ)

菅原然子(すがわらのりこ)

投稿者の記事一覧

大学で数学、大学院で教育社会学を専攻後、月刊『婦人之友』(婦人之友社)、月刊『教員養成セミナー』(時事通信出版局)等の記者・編集者を経て独立。
人物インタビューや教育関連記事を中心に、多分野の記事を書いています。
夫婦+コドモ2人(5歳♀、7歳♀)の4人家族。
趣味はチェロを弾くこと。
動物と、文字と、音楽をこよなく愛するもの書きです。

「菅原然子の教育ウォッチ」http://amapro.jp/cms/modules/bulletin3/
学びの場.com https://www.manabinoba.com/
WOOFOO http://woofoo.jp/author/sugawara/

関連記事

  1. 普通の人々を描いた映画が『ヴィンセントが教えてくれたこと』 セオ…
  2. 「リアルな人生はもっと複雑で、微妙なものだか」ジョセフ・ゴードン…
  3. 泳いでしまった杉森さん 【前編】料理も撮影も文章を書くのも、私にとっては全て「創作活動」…
  4. 『メイジーの瞳』魅力的なハリウッドの小さな大女優に注目!
  5. 夢はまたいつかじゃなくて、もっと貪欲に 中川翔子インタビュー
  6. 【特集】おいしそうな料理の秘密は「あそこで食べたい」という思いに…
  7. 増田セバスチャンがこだわった映画作りとは?
  8. 『モヒカン故郷に帰る』 沖田修一監督

New!!

  1. パリ香水博物館 (Le Grand Musee du Parfum) パリ香水博物館 (Le Grand Musee du Parfum)
  2. 【ネイル】エレガントな秋の押し花ネイル 押し花ネイル
  3. 【編集長日記】SOFINA iP 美活パワームースやいかに! ソフィーナIP
  4. 「emmi(エミ)」と「ASICSTIGER(アシックスタイガー)」コラボレーションモデルが発売 「emmi(エミ)」と「ASICSTIGER(アシックスタイガー)」の「GEL-LYTE Ⅲ」コラボレーションモデルが発売
  5. 年に一度の香りの祭典「イセタン サロン ド パルファン」が開催! 年に一度の香りの祭典「イセタン サロン ド パルファン」が開催!

Present & Event

  1. メイクアップアーティスト小松和子さんレクチャー時短派ナチュラルツヤ肌レッスン
PAGE TOP