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私のごきげんな毎日

【ワークスタイル】「わが子に食べさせたい食材」を社会に広める 荻野みどりさん(株式会社ブラウンシュガーファースト) - 3

大人女子のおしごと事情

商売の主軸をぶれさせない

――子育てをしながらの仕事は、時間的制約など、大変なことも多いのでは?
完璧を求めすぎないようにしています。娘がまだゼロ歳だった頃はおんぶして働いていましたが、1歳を過ぎたころから保育園に預けるようになりました。最初は認可保育園に入れず、やむなく認可外保育園に入園したのですが、とても高額でした。でも、そこまでして子どもを預けているのだから、一分一秒でも無駄にしたくない、と、キックボードで移動しながらヘッドセットで電話して商談したりもしていました。タイムマネジメントは徹底的にするようになりましたね。

娘の夢は「アイドルと社長」
娘の夢は「アイドルと社長」

日本ではまだ、3歳までは母親がしっかり子育てにかかわるべき、という雰囲気があり、「子どもを犠牲にしてまで仕事する必要があるのか」と言われ、悩むこともありました。でも視点を変えてみると、フィリピンの多くのお母さんたちは出稼ぎをしていますが、子どもをとっても愛していて短い時間でも一緒にいられる時を充実させています。極端な例ですが、その姿を見て、子育ての形はいろいろでいいと思いました。娘に、働く自分の背中を見てもらうことも大事かなと思っています。先日の七夕では、「アイドルと社長になりたい」と書いていましたよ(笑)。

――会社が急成長していますが、色々な意味で怖くなることはありませんか?
ありません。なぜなら、私は最低限の幸せの基準を知っているから。月15万円あれば、家族と一緒に心豊かに暮らせるとわかっているからです。独身時代に、月10万円で貯金までしながら心豊かに暮らした経験があります。その頃は、本当に必要なものは何かを厳選し、スーツケース1個に生活に必要なものが全て入るような暮らしをしていましたが、不自由はありませんでした。なりたい自分を想像するのではなく、それよりも一回着実に足を付ける場所を見つけると、いろんな執着がなくなります。

荻野みどりさん

お金は、欲しいと思ったらキリがありません。私の商売の目的は、お金をたくさんもうけるのではなく、子どもたちに本当に安全で安心なものを食べさせたい、そして未来にもよい食の循環をのこしたい、ということ。その軸をぶれさせないことが、大事だと思っています。

フリーライター菅原然子(すがわらのりこ)
大学で数学、大学院で教育社会学を専攻後、月刊『婦人之友』(婦人之友社)、月刊『教員養成セミナー』(時事通信出版局)等の記者・編集者を経て独立。
人物インタビューや教育関連記事を中心に、多分野の記事を書いています。
夫婦+コドモ2人(♀)の4人家族。
趣味はチェロを弾くこと。
動物と、文字と、音楽をこよなく愛するもの書きです。
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