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私のごきげんな毎日

【ワークスタイル】長く、履きこめる靴を  靴づくり屋chisaka千阪実木さん - 2

大人女子のおしごと事情

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分業ではない良さと大変さ

――卒業されてからは、企業で修行されたのですか。
いえ、1人で靴づくりを始めました。まずは靴メーカーなどに入社して、仕入れや営業のノウハウを学ぶほうがよいのかもしれません。ですが私は将来独立を考えているのに、入社試験に受かるために「ずっと勤め続ける」と言うのには抵抗があって。また、会社に属するということは、その会社の方針に従って仕事をしなくてはならないので、靴づくりが好きだからする、という自分が目指す方向とは違ってくるのではと思ったのです。

――千阪さんは一貫して、修理しながら長く履ける靴をつくられています。デザインから製作、発送まで1人でなさっているのですね。
そうです。実は靴づくりというのは、歴史的にみると分業制がとられてきました。デザインをする人、縫製、底付けなど、各担当者がいて、多くの人の手を経て靴は作られることのほうが一般的です。そのほうが効率がよいからです。

ソール交換のために里帰り中のチャッカブーツ。シミや傷もいい味になり、月日を経た艶やかな革が大事に履いてもらっている証拠。
ソール交換のために里帰り中のチャッカブーツ。
シミや傷もいい味になり、月日を経た艶やかな革が大事に履いてもらっている証拠。

私は直接お客様とお話しして、その方が履く姿をイメージしながら一から作っています。そのためには、デザインから仕上げまですべての工程をこなさなければいけないので大変なのですが、たとえば「ここの部分は丈夫に作っておいた方が、長持ちする」など、作成の過程で細かいディテールにまでこだわることができます。そして修理が必要になった時には、材料や構造をすべて把握しているので的確に対応することもできます。

フリーライター菅原然子(すがわらのりこ)
大学で数学、大学院で教育社会学を専攻後、月刊『婦人之友』(婦人之友社)、月刊『教員養成セミナー』(時事通信出版局)等の記者・編集者を経て独立。
人物インタビューや教育関連記事を中心に、多分野の記事を書いています。
夫婦+コドモ2人(♀)の4人家族。
趣味はチェロを弾くこと。
動物と、文字と、音楽をこよなく愛するもの書きです。
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